会報第19号

もくじ
〜 第7回 夏期研修会を開催 〜
〜 春季流通施設等見学会 〜
〜 長崎販売士協会総会へ参加 〜
〜 夏の納涼ビアパーティ 〜
〜 投稿記事 〜 ◇役員&会員◇
  大濠公園の早朝散歩 
  閑話“桃栗三年、柿八年・・・・・”
  微生物の世界も環境変化?
  地域力連携拠点における活動
  販売士の皆さんの出番です ! 
  私のボランティア活動
  商売と社会貢献
  気になるKEYWORD 



〜 第7回 夏期研修会を開催 〜
観光マスターから学んだ地域活性化へのマーケティング展開
副会長
石原 義曠

= 夏期研修会 次第 =
           司会:理事 中野法子


 開会挨拶:会長 栗川 久明

 第一部 講 演  14:00〜15:40
    「九州観光マスターと販売士との接点」
     講師:中村学園大学 流通科学部
     片山 富弘 教授

 第二部 懇親会  15:50〜17:50
    挨拶:福岡商工会議所 会員サービス部
    三角 薫 部長
    乾杯:事務局長 泉 亨
    〜懇談・参加者のスピーチ〜
    締め挨拶:副会長 石原 義曠


 会員相互の研鑽と交流を深める一環として企画した夏季研修会も今年で7回目を迎え、7月19日(土)の午後、福岡商工会議所内の会場で開催いたしました。
 今回は九州地域の社会や経済面の活性化のために、現在、福岡商工会議所が中心となって注力をされている「九州観光マスター」について取り上げ、この制度の創設と検定のテキストの執筆や監修に携わってこられた中村学園大学の片山教授に“九州観光マスターと販売士との接点”というテーマで講演をしていただきました。
 特に今回のお話は、九州に住む私たちにとってこの地の観光という興味深いテーマでありましたし、また販売士としての立場からも今や流通業を取り巻く環境が顧客ニーズの細分化や業種・業態の多様化、流通外資の参入などによって激変しつつあり、私たちにとって新たな対応能力が求められている時でもあることから大変参考になり学ぶことの多い研修会でした。

 以下は、一聴講者として当日の講演で学び得たことと懇親の場においての模様など感想を含めての概況です。

 第一部 講演会


 定刻の午後2時に中野理事(広報委員会副委員長)の司会で始まった今研修は、冒頭に栗川会長から当協会の近況報告を含めての開会挨拶と次のような講師紹介があった後、講演に移りました。

<講師紹介(敬称略)>
片山富弘、1960年兵庫県生まれ。関西大学経済学部・慶応義塾大学院(MBA)・横浜市立大学院・佐賀大学院修了(学術博士)
大手メーカーにて商品企画・経理部・経営企画部を経て関係会社出向。中小企業診断士・税理士資格を活かしてコンサルタント事務所運営。2001年中村学園大学 流通科学部に赴任。現在、教授。

 
 
= 講演要旨 =
1、九州観光マスターの概要
創設の趣旨
検定試験制度とテキスト目次
受験動向と合格率
2、 九州観光マスターと販売士との接点
接点はマーケティング
3、 マーケティングの最近の動向
定義の変遷
CSを中心としたマーケティングの展開

 講演に先立って、片山教授から中村学園大学並びに所属されている流通科学部(商学部と経営学部に近い学部)についての紹介とご自身が大手メーカー勤務から転身して現職にあることなどざっくばらんな自己紹介を頂いた後、以下に要約したような本題についてのお話を聴かせていただきました。


1、九州観光マスターの概要について

(1)創設の趣旨
 ☆今、観光に熱い視線が向けられているが、観光は人の生活に心のゆとりや潤いをもたらし、産業としても地域の活性化や雇用の造出などをもたらしてくれる。
 ☆3年前、国は“観光立国”の実現を打ち出したが、この九州においても「九州観光戦略会議」が発足するなど、恵まれた自然や歴史的遺産、温泉などの観光資源を活かした観光産業の振興を目指している。
 ☆このような背景と気運のなかで、福岡商工会議所が中心となって九州を観光で活性化しようとホスピタリティな心と知識に富んだ人材育成を進めるべく“九州観光マスター”制度が創設された。

(2)検定試験制度とテキスト目次
 ☆この制度は、「国内外の人に通用するホスピタリティマインド」と「九州の歴史や観光資源についての知識」、「ビジネスにおける九州の産業・経済についての知識」、「九州観光を発展的に創り上げていくのに必要なマーケティング知識」など観光ビジネスのフィールドにおいて実践的に役立つ知識を身につけることを目的としている。
 ☆検定試験は3,2,1級とレベルが向上し、70点以上が合格。3,2級はマークシート方式、1級は記述式。受験地は九州の主要な17商工会議所。
 <テキストの目次>
 各級で取り上げている内容をそれぞれのテキストの目次面から列挙すると次のとおり。
  ☆3級
  九州観光の動向と振興戦略、九州の観光資源、産業としての観光、観光コミュニケーション、観光マーケティングの考え方。
  ☆2級
  わが国の観光の変化と九州の取り組み、九州の観光資源とその広がり、観光コミュニケーション、産業としての観光、観光マーケティングの考え方と展開、観光産業におけるプロモーション戦略、観光地活性化におけるブランド化戦略。
  ☆1級
  観光マーケティング、特産品戦略、観光地戦略、イベント戦略、国際観光マーケティング戦略、旅館・ホテル業の経営戦略、旅行業の経営戦略、交通業の経営戦略、飲食業の経営戦略、財務力・経営分析、人的資源管理とホスピタリティ、観光関連知識。

(3)受験動向と合格率
 ☆これまでの受験動向をみると、「地理範囲」では北海道から沖縄までと幅広いが圧倒的に福岡が多い。「年齢層」は10〜70代までだが30,40,50代が多い。また、「職業区分」では金融機関・公務員・学生が多く、観光関係者が意外と少ないのは検定試験の実施月が3・9月という観光業の稼ぎ時に当たっているせいかもしれない?
 ☆合格率については、3級が70〜80%、2級は60〜70%、1級は20%弱。マーケティングの箇所が弱い傾向にあり、この分野を克服できれば合格ラインがみえる。2級は中国語または韓国語の選択が必要。

2、九州観光マスターと販売士との接点

 ☆両者はマーケティングの面での接点がある。「販売士」は流通業、特に小売業を中心とした業種・業態的なマーケティングの展開であり、「観光マスター」は観光を一産業として捉え、1級テキスト目次にもあるように関係業種をも絡めた地域活性化を狙いとしたマーケティングの展開である。
 ☆従って、両者の活動はこの九州地域の社会や経済の活性化に寄与する点で共通する。

3、マーケティングの最近の動向

(1)定義の変遷
 ☆AMA(アメリカマーケティング協会)の定義をみると、下記のように1965年にアメリカから日本に導入された当時のものから、世界的に普及をみた2004年以降のものへと大きく変遷してきている。
  ・1965年:生産者から消費者もしくはユーザーまでの商品やサービスの流れを方向づける企業活動の遂行である。
  ・1985年:個人や組織体の目的を満足させるためにアイデアや商品やサービスに関する企画、価格設定、販売促進、及び流通を計画し遂行する過程である。
  ・2004年:マーケティングは組織的な活動であり、顧客に対し価値を創造し、価値についてコミュニケーションを行い、価値を届けるための一連のプロセスであり、さらにまた、組織及び組織のステークホルダーに恩恵をもたらす方法で、顧客との関係を管理するための一連のプロセスである。
  ・2007年:マーケティングとは顧客、依頼人、パートナー及び一般社会にとって価値あるものを創造し、コミュニケーションを行い、送り届け、交換する活動、一組の制度及びプロセスである。
(2)CS(顧客満足)を中心としたマーケティングの展開
 ☆前述(1)のように、マーケティングの視点が企業サイドから顧客サイドからのものへ。このことにより、今やマーケティングの展開も顧客満足(CS)を中心とした考え方に。マーケティング・ミックスも4Pから4Cへ。
 ・4P= Product, Price, Promotion, Place
 ・4C= Customer-Salution, Cost, Communication, Convenience

 ☆顧客満足(CS)の評価尺度は「事後の評価÷事前の期待」。例えば、東京ディズニーランドは事前の期待も事後の評価も高く、リピーターの割合の面においても98.5%と極めて高い。ディズニーランドというブランドを支えている根幹にあるものは、まさに顧客満足だ。満足は伝道師、不満足はテロリストとも言われ悪い評判は怖い。
 ☆ブランド(BRAND)とは、AMAの定義によれば、
 ・ある売り手もしくは売り手集団の商品やサービスであることを示し
 ・競争者の商品やサービスから区別するために使用される
 ・名称、用語、記号、象徴、デザイン、もしくはこれらの結合である。とされているが、ブランドの確立は顧客満足から始まる。
 ☆顧客満足(CS)を中心としたマーケティング展開へのキーワードは
 ・顧客歓喜、顧客満足保証、顧客価値、
 ・顧客ロイヤルティ、サービス・プロフィット・チェーン、
 ・顧客資産、CRM、バランス・スコア・カード、
 ・カスタマー・コンピタンス、代理顧客満足、
 ・地域ブランド、    などである。


 当日は概ね、以上のような内容について具体例なども織り交ぜながらお話をいただき、更に私たち聴講者からの質問や要望にも逐一応えていただく時間もしっかりと設けていただいたので理解がしやすく“九州観光マスターと販売士との接点”という演題のとおり、この制度が私たち販売士にとっても大変身近にあるように感じました。

 第二部 懇親会

< 挨拶 > 福岡商工会議所 三角部長
 第二部のスタートは、今年度から新たに当協会の賛助会員にもなっていただいた福岡商工会議所 会員サービス部の三角部長から、同会議所の案内と併せて、特に“会員サービス事業”について「経営面や福利厚生面でのサポート事業であるとか会員交流事業、情報提供サービスなど実施中の事業内容に関する紹介」や“会議所NEWS6月号”での「販売士検定と福岡販売士協会の紹介」記事掲載についてのお話などをはじめ、私たちの協会活動に関わる諸資料の提供もいただきました。
 また、今年度の「販売士検定と観光マスター検定」にも触れられ、共に前進していきましょうとの主旨の挨拶をいただいた。

<乾杯・懇談>
 泉事務局長の乾杯の音頭で、全員が元気に「カンパーイ!」と発声して杯を交わし懇談に入りました。  勉強を終えた後の充実感からか、それぞれ皆さんホッとしたような笑顔でお互いのグラスにビールや焼酎を注ぎあいながら、講演会の感想や観光マスター受験のこと、あるいは協会の行事や仕事に関すること、趣味などと思い思いの話に花を咲かせていました。
 また、恒例となった懇談半ばでの参加者によるスピーチでは、司会の中野さんから指名を受けた人たちが次々に、その場に即した薀蓄のある興味いっぱいの話をされたので、その度ごとに聞き手側も惹きつけられたように聴き入りながら、都度盛んに拍手を送っていました。
 いつもながら、本当に和やかに交流を楽しむことのできたひと時でした。
 なお、この懇親の場には片山教授も別の予定が入っておられたのにも拘らず、途中まで同席され参加者と懇談いただいたり、三角部長もまた、この日は仕事休みであったにも拘らず最後の最後までご一緒にお付き合いいただいたことに心から感謝申し上げたいと思います。

<締め・散会>
 こうして、楽しく学ぶことのできた本研修会の最後は、石原副会長からの感謝を込めた締めの挨拶と当協会の限りない発展とお互いの健勝を祈念して、この日は特別に石原顧問に登壇願って、力強い音頭で“博多手一本”をいれ散会しました。



〜 春季流通施設等見学会 〜
九州電力玄海エネルギーパーク
事務局長
泉 亨
*玄海エネルギーパーク見学会を終えて*
 初夏を思わせるようなやや暑い日ざしの6月7日(土)、福岡販売士協会の玄海エネルギーパーク見学会メンバー12名は、予定通りに博多駅近くの都ホテル前を出発しました。岡野企画委員長、同じく小関副委員長、そして私が運転する3台の自家用車に分乗しての小旅行です。
 目的地は佐賀県東松浦郡玄海町にある原子力発電所とエネルギーパーク。玄海町は、古代大陸交通の所となっていた唐津に接し、秀吉ゆかりの名護屋城跡や風光明媚な波戸岬等がある観光地としても魅力のあるところです。発電所も数ある岬の一つ値賀崎にあって、玄界灘を一望する素晴らしい場所にありました。
 この地に、昭和50年に原子力発電の一号機が造られ、その後平成6年に四号機が造られて30有余年が過ぎています。現在、年間260億キロワットの電力量を誇り、九州全体の発電電力の約29%が、この玄海原子力発電所で造られているそうです。云うまでも無く原子力発電所は安全性の確保が最優先されます。
 従って、厳重な検査や監視もさることながら、立地条件なども相当に厳しいものがあると云われています。特に原子炉等の建物は硬い岩盤の上でなければならない。また、豊富な冷却水の確保など何処にでも造れるものでは無いと云う事が、ガイドさんの詳細な説明で良く理解できました。全てが初めての体験で、見るもの聞くものが珍しく大いに勉強になりました。従業員研修センター等も見学することが出来て満足感を覚えた後は、次の楽しみである呼子のイカ料理を楽しみ、名護屋城跡へと向かいました。城跡周辺の諸大名の陣跡などを眺め、“夏草や兵どもが夢の後”の一句を思い出しながら、玄界灘の潮風を肌に感じつつ一時を過ごすことが出来ました。また資料館では日頃目にすることが出来ない、古色蒼然とした資料の数々を感慨深く見学いたしました。
 その後、道の駅で手土産などの買物を済ませて2台の車は帰途につきましたが、私の車だけは波戸岬に回り潮風を体一杯に受けながら草の上を散策し、名物のサザエの壷焼きに舌鼓を打った後、さらに充実した気分に満足感を感じながら帰途につきました。
 毎日の平凡な時間では味わえない、貴重な時間を過ごせたことは、短い短い小旅行でしたが、ちょっぴり感動しました。次回からは、同乗者と運転手と云った関係ではなく、食事時には全員が心置きなくアルコールが飲めるような企画が良いなと、心の隅っこで感じたことも付け加えておきたいと思います。


〜 長崎販売士協会総会へ参加 〜
事務局長
泉 亨
 去る5月の半ば過ぎ、長崎販売士協会の総会が開催されました。福岡販売士協会からは、栗川久明会長と私の2名が参加いたしました。私共の色々な会合には何時も協力的な長崎販売士協会の総会ですから喜んで参加させて頂く旨を連絡し、当日はすっかり馴染みとなりました白いカモメに乗車し、前日のうちに買っていました肴をつまみながら軽く缶ビールを飲みながらの旅でした。
 通常は、総会後には懇親会が用意されていましたが今回はそれもなく、総会の後は「九州新幹線西九州ルートについて」と云ったテーマで講演が行われ、長崎県新幹線建設推進課の久村豊彦課長が担当されてお話がありました。極く質素な感じの総会でしたが、その内容については、下記の通り簡単にご紹介いたします。

 事業報告の内容を簡単にご紹介すると、販売士3級養成講座。接客サービス講習会。販売士2級検定対策講座。顧客満足トレーニング。POP講習会など。
 事業計画については、鳥栖プレミアムアウトレット研修会。販売士3級養成講座。九州販売士交流会への参加。平成19年度販売士検定合格者交流会など。収支予算に関しては約200万円が計上されていました。

 次に講演会の内容についてはかいつまんでご説明いたします。
      記
 19時30分 開会の挨拶
  議事:平成19年度の事業報告
      同  収支決算報告
    役員改選について
    平成20年度の事業計画
      同    収支予算
  講演:九州新幹線西九州ルートについて 
  講師 新幹線建設推進課長
    久村 豊彦
 20時30分 閉会の挨拶
(講演会の内容)
 高齢化が進展するにつれて、例えばボウリング場が消えていき、若い人達の遊び場が少なくなっていく。また、就業の場が少なくなっていくといった問題点が浮上してきている。一般財源があるからこそ色々な対応策がとれるが、人口減はそう云った意味からも大きな問題点と云える。そこで、新幹線に大きな期待を掛けたい。観光は長崎県のエンジンである。そして観光を大きく左右するのは新幹線である。グローバルな感覚で見ても新幹線はアジアのスタンダードとなる時代を迎えていて、そのアジアからの観光客誘致は長崎の生命線である。
 また、国内に目を転じても新幹線は観光市場を四国、中国、関西へと広げるものと思われる。数年後には新幹線が無い都道府県は24から17へと少数派になる可能性が高く、未来に向けて新幹線を如何に活かすべきか、叡智を結集すべき時になっていると云った内容で、新幹線西ルートの必要性を縷々と訴えかける内容となっていました。  行政側の熱意とは裏腹に、講演会に参加された方々との意識の差に微妙な違いがあるのが、質問などによって浮き掘りになっているのが分かり、難しい問題だなあ!との感想を持ちました。例えば、新しい鉄道沿線の発展と在来線の寂びれ行くであろう近未来の姿等、地域住民の痛切な問題意識が言葉の端に覘いているように思われました。全てが巧くいくものであれば問題等起こらないでしょうが、明暗合い分かれる場合、結局は力の論理が優先されるのではと思い、人事ながら考えさせられました。
 帰りは栗川会長と2人で酒・肴を買い込んで白いカモメに乗り込み、飲みながらの帰福となりました。途中疲れていたためもあってかすっかり酔いが回ってしまい、一泊するべきだったなと、文字通りの後悔を覚えた次第です。以上簡単ですが長崎販売士協会の総会出席のご報告を終わります。


〜 夏の納涼ビアパーティ 〜
海ノ中道海浜公園にてBBQ
事務局長
泉 亨
*恒例の納涼ビア・パーティの感想*
 毎年、アサヒビール園・博多で開催されてきました納涼ビア・パーティが、今回は海の中道海浜公園で開催されることになり、野外での開催は初めてのことでもあって、栗川会長、岡野企画委員長、私(泉)の三人で現地視察に行くことになりました。博多港から高速船で海ノ中道までちょっとした旅の気分を味わいましたが、野外バーベキュの会場まで歩いて約20分。真夏日の中を歩いての移動となり、栗川会長、岡野企画委員長は日傘を用意していましたが、一番若い(?)私の防暑対策は帽子のみで、大変な視察となりました。
 今回は参加される会員の方も15名とアサヒビール園の時よりも多く、盛り上がりが期待されましたが、天気予報に振り回される結果となり、食材の点で皆さんの期待に添えなかった部分もありました。しかし、当日は心配された雨も降らず、カンカン照りでもなく、海風に吹かれながら楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 広々としたバーベキュー会場に、最初は2組程しかいなかったパーティも午後には13組ほどにまで増え、それなりに雰囲気も盛り上がってきました。私たちの直ぐ近くに若い女性だけのパーティが現れてからは、男性組みがそわそわと落ち着きがなくなり、やがては出張サービスに余念がない仲間も現れてしまいました。野外でのパーティの良さですかね!
 廣瀬広報委員長のご主人や中村研修委員長の奥様などの、献身的なサービス振りに、ずぼらな私など只々 飲んで!食べて! で時間を過ごしてしまいました。自然の海風、山風に吹かれ、開放感に包まれながらの会食は楽しいものですね。また、このような機会があれば、是非参加したいと思いましたが、反省すべき点も若干あったようです。
 まず一つは交通の便です。集合場所、会場などへの交通アクセス(公共交通機関)を良く調べて、便利の良い場所を選定すること。マイカーを持っていない、あるいは使わないことを前提に考えないといけないと云う事(特に飲食する場合)。
次に、野外での開催では天気が大きく影響しますので、雨天の場合の代替場所の選定等。そして雨天あるいは晴天に関わらず食材の持込が可能な場所を探すことが大切だと思います。自然の環境の中で、旨い物を食べて ! 旨い 酒を飲む ! ことが野外パーティの醍醐味だと思われます。しかし、何はともあれ久し振りに野外での飲食を楽しむことが出来たのは良かったと思います。
 最後に、中村さんの奥さん、広瀬さんのご主人、箱森さんの甥っ子の御三方には、心からお礼を申し上げたいと思います。 本当に有難う御座いました。これに負けずに次の機会にも是非ご参加下頂きたいと思います。

〜 投稿記事 〜 ◇役員&会員◇

大濠公園の早朝散歩

会長 一級販売士
栗川 久明

 8月はじめから大濠公園の早朝散歩を始めました。目的は夏ばて防止と、足が弱ってくるのを防ぐためです。毎朝5時半から6時半の間に大濠公園を2周歩いています。雨の日も傘をさして歩きますが、雷雨の日だけは中止しています。大濠公園の周囲は、散策、ジョギング、サイクリングの3コースに分かれおり、1周は約2kmです。ジョギングコースは歩きやすいクッション材で舗装されています。
 歩きながら、周囲を観察していますと、いろいろなことに気が付きます。
 公園の環境美化に協力のため、大きなゴミ袋を持ち、散らかっている空き缶やゴミを熱心に拾い集めている人を見掛けます。また、小さなごみ袋を持ち、タバコの吸殻を拾っている人もいます。公園利用者が感謝すべき人です。
 一方、テレビニュースでも報道されたように、グループで育成している花壇のチューリップやひまわりの花を切り捨てた人もいます。これは花の育成に協力している人の好意を踏みにじる人です。
 また、私も目撃しましたが、池に向けて立ち小便をしている大人がいました。恥ずかしい行為をしている人です。
 散歩していて最も困るのは、犬の糞の不始末です。散歩の人が知らずに踏んでしまうと犬の糞が拡散されてしまいます。これは空き缶のポイ捨てやゴミを散らかす人より、多くの人に迷惑を掛けている人です。
 大濠公園の概要について簡単にご紹介します。
 大濠公園は昭和2年に開かれた東亜勧業博覧会の機に造園工事が行われ、昭和4年県営大濠公園として開園されています。
 総面積が約39万8千uあり、その約22万6千uの池を有した全国有数の水景公園です。公園内には、池の周辺約2kmの周遊道、野鳥の森、児童遊園、能楽堂、日本庭園、ボートハウス等があります。大濠公園は中国の西湖をモデルに造られた水の公園で、公園の中心には4つの橋で結ばれた中の島や浮見堂があります。
 一帯は黒田長政が福岡城を築城するとき、博多湾の入り江を外濠として利用したもので、大濠公園はいまでもうすい塩水に調整されています。池の中には大きな錦鯉や草魚、亀を多く見ることができます。
 また、毎年8月1日には西日本大濠花火大会が開催されています。


閑話“桃栗三年、柿八年・・・・・”
副会長
一級販売士
 石原 義曠

 もう、40年ほど昔のことになりますが転勤で四国の高松に赴任した時のこと。
 名古屋での小学校時代に学校からの映画鑑賞で「二十四の瞳」を見て涙したことの懐かしさから、その舞台となった小豆島を訪れたことがありました。
 幼い日に見た銀幕の映像が甦るなかで島の中をひとり歩きながら感慨に浸った記憶がありますが、その小豆島の小高い丘に作家・壺井栄が生前好んだ『桃栗三年 柿八年 柚の大馬鹿十八年』という言葉が刻まれた文学碑があるんだそうです。
 と言うのも、私が訪れた当時にそれがあったのかどうか定かではなく気付きもしませんでしたが、この夏家内のふるさとでもある高松に彼女が帰郷した際に、この碑を愛する文学好きの旧友から御影石に刻まれたレプリカをプレゼントされ持ち帰ったことで、はじめてその存在を知りました。
 恥ずかしながら、この「桃栗三年 柿八年・・・」という言葉は子供の頃から耳にはしていましたが、その意味することは良く知らないままでいました。ご存知の皆さんには今更申し上げるまでもないのですが、桃や栗は芽生えてから3年、柿は8年で実がなるものだと言うところまでは、無知な私も承知はしていたのですが、それに続く「柚の大馬鹿十八年」と言うのが桃や栗に比べると柚の成長は遅くて容易に実をつけないと言うことから、周囲から愚か者であるかのように見下される意味の諺であったことを知らされました。
 壺井栄は、そのことに長い年月を辛抱して実を結ぶ柚の姿に下積みに耐える人たちの愚直を重ね合わせて、愛おしさを覚えたのではないかと聞かされ「二十四の瞳」の高峰秀子演ずる大石先生が教え子たちに向けていたあの優しい眼差しとその子たちと共に生きた温かい心に共通するものを感じました。
 人生たとえ自分がどんな境遇にあったとしても、与えられた天与の道に気づきそのことへの感謝の念を持って、心穏やかに自分なりの道をしっかりと歩んでいけることが幸せということなのかも知れません。


微生物の世界も環境変化?
事務局長 二級販売士
食生活アドバイザー
 泉  亨

 私たちが住んでいる地球は今、温暖化、途上国に顕著に現れてきている砂漠化、あるいは原油危機による作物の燃料化等、様々な環境変化が起こっています。
 国内に目を向けると、少子高齢化を筆頭に色々様々な環境変化が起きて大きな問題となっていますが、微生物の世界にも環境変化が現れて来ていることに気付かれた方は居られますか? 近年、冬場を中心に起きていたノロウイルスによる感染症が、年間を通して多発していますね。
 国立感染症研究所の発表では、季節に関係なく何時でも感染する恐れがあるとのこと。8月には香川県立中央病院において入院患者や看護士等21名が感染しました。真夏の感染拡大に関係者の間に大きな衝撃が走ったと報道されています。人の出入りが激しい病院内だったこともあり、原因の特定が難しいと頭を抱えているのが現状のようです。北海道、茨城、大阪などでも春から夏に掛けて集団感染が相次いでいます。
 ノロウイルスは人から人へと感染するため予防対策は通年で必要と思われます。
 また、福岡市では赤痢菌による食中毒が連続して発生しています。私たちの感覚では赤痢菌などは昔の話で、現在でも活動しているとは信じられないことですね。今回は有名な老舗料理店“なだ万”でも発生しています。ベトナムの水産加工会社で製造された刺身用冷凍イカが原因のようです。同社では刺身用冷凍イカやゆで蛸などが製造されて日本に輸入されています。体力が落ちてくる9月10月は特に注意したいものです。
 加工食品、冷凍食品が大量販売される現状では、食べ物に季節感が無くなって来ています。そこで、最近“つまもの”と呼ばれるものの需要が、料亭などで高くなり“つまもの”による食中毒も多発気味ですね。アジサイの葉、水仙、チョウセンアサガオなど、身近にありながらあまり知られていない毒性を持っているものがあり、そして中毒例もかなり報告されています。この場合は食中毒菌が原因とは云えませんが。
 食中毒菌はどこにでもあります。一昔前には大丈夫だった食べ物も、一般消費者の減塩指向で作られるようになると食中毒を起こす可能性が高くなります。例えば、塩辛は昔のように塩分が10%以上あれば食中毒菌は増殖しにくくなり比較的安全だったのですが、現在のように4%前後で作られるとやはり危なくなります。食べる側の環境の変化が食中毒を招いた例とも云えます。
 カビが生えても、少々汚れても洗って食べれば問題無い。私たちが子供の頃には(ちなみに私は現在60代)そう云われていました。勿体無いの精神があたりまえのように通用していました。現在でもアメリカの食品医薬品局の広報担当部長など、虫やカビなどは完全には防げない、基準内であれば見た目は悪くとも害はないと云っています。日本のように虫のかけら一つでも大きな問題になる国は珍しいとも思われます。現在の消費者は食品を綺麗なパックに入った工業製品のように考えて、安全安心の価値判断を消費期限・賞味期限のような数値に置き換えて判断しているようです。殺菌消毒あるいは脱臭された食品は風味に欠ける、味覚に欠ける食品になってしまうと考えられます。最近の子供たちは、その点で規格化されてきている、味オンチになってきているのではと私は考えています。子供だけでなく数値に置き換えられた安全安心に頼り過ぎている大人が増加していることも、大量食中毒発生の一つの原因ではないでしょうか?消費期限あるいは賞味期限に頼らずに、自分の鼻と口(舌)で見分ける力を持つことが自分の体を守るため、あるいは経済的な食生活を送るために求められているのではと思われます。最近の食中毒事件は、自然が私たち人間に対して警鐘を鳴らしているのではないでしょうか?
 限られた資源を効率良く、経済的に使うために ! そう受け止めたいですね。食物だけでなく、全ての問題で環境変化は私たち人間の営み(生活)の結果発生しているのだと理解したいものです。             


地域力連携拠点における活動
研修委員長
一級販売士
 中村 純治

 私は、今年の5月30日より地域力連携拠点筑紫の応援コーディネーターとして活動を開始致しました。
 地域力連携拠点は経営力の向上や事業承継等、中小企業が直面する課題に対してワンストップできめ細かな支援を行うことを目的としています。そして全国で316機関が採択されました。福岡県では10箇所採択され地域力連携拠点筑紫もその中のひとつとなります。
 今回の施策のポイントは
(1)地域に賦存する経営資源を徹底的につなぎ合わせてこれまでにない取り組みを数多く創出し、地域のやる気のある企業経営者を国、自治体の行政資源を総動員して応援する仕掛け作りにあります。
(2)中小企業を巡る経営課題は、ITを活用した経営診断、農商工連携など異分野の企業と連携した新たな事業への進出・転換など複雑化しています。このため、競争的な環境の中で、これまでの地域独占的な発想を超えた厚みのあるネットワークを構築し、ワンストップでサポートする体制の整備を行います 。
(3)パートナーを組んで中小企業を支援する組織として、500程度の金融機関、250程度の大学・公設試、100程度の農協・漁協をはじめ全国で2000以上の機関の参画を得ています。
(4)年内には利用者による満足度評価を行い公表するなど、拠点同士の競争を促し、意識改革を求めていくとともに、約800名のコーディネーターには、担当する中小企業に密着し、四六時中動き回って徹底的な支援をし、模範となる成功事例は発表し、全国的なレベルアップに活用していきます。

 昨年までは筑紫野市の企業や店舗を中心に経営力の向上を目指してきましたが、今年は筑紫野市だけでなく、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町の企業や店舗の経営支援を行っています。また、福岡市内の企業や店舗などからも問合せが来るようになって嬉しい悲鳴を上げております。福岡県商工会連合会、福岡商工会議所、中小企業診断協会福岡支部、中小企業基盤整備機構、九州経済産業局などとも綿密な連携を図りながら進めています。
 今後は福岡販売士協会に属している方々とも、今まで以上に交流を図りながら多方面でのお力添えを願えればと思っております。宜しくお願い申し上げます。


販売士の皆さんの出番です !
(新現役チャレンジ支援事業のご紹介)
一級販売士
中小企業診断士
 高柳 和浩

 経済産業省中小企業庁の事業として「新現役チャレンジ支援事業」がスタートしました。この事業は、今年3月までの5年間実施してきた「企業等OB人材マッチング事業」を抜本的に強化・拡充したものです。中小企業基盤整備機構が受け皿となり、各都道府県に地域事務局が設けられています。福岡県は福岡商工会議所が地域事務局となっており、現在、私は福岡県のナビゲーターとして、この事業に関わっています。
 新現役とは、企業等を退職されたOBまたは近く退職を予定されている方が対象になります。また、専門家の方も新現役としての登録が可能です。長年培った経験、専門知識、ネットワーク力等を持つ新現役の方と課題解決に悩む中小企業とのマッチングを行い、彼らのノウハウ等を活用した経営基盤の強化を支援することが、この事業の目的です。新現役の方は企業を退職後もまだまだ健康で働き盛りの方が多く、セカンドライフとして、現役時代にやり残した(また、やりたくてもやれなかった)ことを実現出来る機会や社会貢献を出来る機会に巡り合うことが可能です。その結果企業側は業績が改善し、新現役は生甲斐や遣り甲斐を見出されるという、企業側にも新現役側にも社会的意義が大きい事業です。中小企業の悩みの多くは、販路拡大、販売マーケティング等販売に関することです。一方、販売士の方の多くは、小売店を中心に戦略立案は勿論、実務指導も出来ると思います。また、意識が高く、販売士の資格だけでなく企業等に勤められていた時代に培った様々な経験やノウハウ、人脈等もお持ちであると思われます。
 中小企業はこれから益々厳しい時代に突入して行くことが予想されます。販売士の皆様方のお力をお借りし、支援を行うことも必要になると思います。是非ともこの機会に新現役としての登録をお願いし、ご活躍していただくことを期待いたしております。また、課題解決に悩んでいる中小企業等をご存知であれば、是非ともこの事業の存在を伝えていただきたく思います。
 よろしくお願い致します。


私のボランティア活動
一級販売士
山路 博之

 私は現在65歳、定年退職した年金生活者である。しかし現在程、今まで生き、暮らしてきた日本社会や皆さんの為にお役に立ちたいと思った事はない。何故か?
 この年になるまで健康に暮らし、生きがいを持って元気に働き、生活をすることができたのは、日本の会社のおかげであり、それが存在する日本の風土・社会である。
 そして自分で自由に使える時間が持てるようになった今だからこそ、自分にできる事、好きな事をする事でお返しをしたい、皆さんにお役に立ちたい、恩返しをしたいと思うようになってきた。すぐ頭に浮かんだのが、これまで行ってきたボランティア活動の継続である。
 VOLUNTEER=ボランティアとは、「志願者」の意で社会事業などに自分から進んで技能や労力を無報酬で役立てる人々である。いわゆる「社会奉仕活動」である。ボランティア活動は日本でも,世界でも各分野で行われている。最近では、北京オリンピックでコンパニオンをはじめ沢山の方々が、その成功の裏方として立派な役割を果たした。その活動の多彩さ,広がりはコンピュータで「ボランティア」を検索していただければ理解できる。どの国でもボランティア活動をする人々は、社会や地域住民から尊敬の目で見られる。それは、その活動が皆さんの為に多いに役立っているからである。
 ボランティア活動はその意思があれば誰でも何時でもできる活動である。現在現役で働いている方々でも、経済的余裕や時間が無い方でも、ボランテイア精神を持って活動している方は枚挙にいとまがない。無償で対価を求めず、社会に貢献し人々の為にお役にたてる喜び、皆さんから喜んでもらえることによる自己満足が得られるのがボランティア活動による最大の報酬である。その遂行には、強い意思と愛情が求められるかもしれない。
 ボランティア活動内容は様々で、何も報道されるような目立つことばかりをする事ではない。日常生活の中でも、また町内で地域住民に役立つ事,例えば道路掃除、草取り、子供の安全パトロール等,いろいろある。この福岡販売士協会でも、理事長はじめ理事の方々がボランティア精神を発揮されて、会を運営され、会員の皆様のお役にたつようにと頑張られている。
とかくいう私も、これまで地域ボランティア活動の他、九州沖縄サミット福岡蔵相会合(2000年)やアジア開発銀行年次総会(福岡シーホークホテル・1997年)等で海外からのお客様へのボランティア活動に参加してきた。
 しかし、昨年から近くの九州大学大学院筑紫キャンパスで留学生に日本語・日本事情を教える活動を始めた。私としては日本語教授法の勉強をしており、その実践の場として彼らに生徒になっていただいているに過ぎないのだが、中国・ロシア・インドネシア等の留学生達から日本で生活をする上での様々な相談を受けたり、アドバイスを求められたりする。
 何でもそうだが教える為には、その何倍もの時間をかけて準備する必要があり、それが自分の勉強になっているだけでなく、何よりも彼らが私を信頼して、友人として振舞い、付き合ってくれるのが嬉しい。又、帰国してもメールで連絡を取り合っている。
 そして、今年の4月から大宰府にある九州国立博物館の館内英語案内のボランテイア活動を始めた。九州国立博物館とは縁があり、2005年10月の開館記念コンサートで、ベートーベンの第九(合唱)を九州交響楽団のバックで、650人の仲間と歌ったが、これもボランティア活動の一環であった。
 現在10部門約300人いるボランティアの中で、私は英語部会30人の代表幹事として活動し、全員英語によるボランティアガイド活動が、うまくいくように英語テキストの作成や部会の運営、そして最大の目的である来館者に満足していただけるように頑張っているので週1日の活動に時間がとられ、販売士協会での行事と重なり博物館活動を優先する為、欠席せざるをえないのが残念である。九州国立博物館では世界中から来館される方々をガイドし、満足されて帰られる時の喜びは何よりにも変えがたいもので、緊張しつつも楽しくボランティア精神を発揮させてもらっている。
 これらの活動を通して、国宝や重要文化財の本物を見れる素晴らしさ、様々な歴史的事実を知り、専門的知識を得る喜び、私の生涯学習の場として利用させてもらっている。そして、自分のこれまでの人生培った知識・技能を無償で提供しながら今までお世話になった日本や世界の人々の為にお役にたつ事が、私の自己実現を図る事にも繋がっている。
 これからの人生においても、海外の大学で日本語を教え、ついでに大学で語学を学ぶという、私にとって大きな夢がある。その夢や目的がある限り、それに向って努力し、頑張れる以上、有意義な毎日が過ごせるものと確信している。
 皆様はそれぞれお得意の分野をお持ちで、今後それらを是非活用されて、ボランティア活動をされ、人生を豊かにされることをお薦めしたい。特に、私は販売士としては、地域の商工会などとタイアップして地域対象者に、例えば無料の3級講座を開き、合格者に今度は有料で2級講座を開くことも検討したい。そうする事で、販売士の資格が社会に役立つと思っている。


商売と社会貢献
一級販売士
三崎 健

「オリセット・ネット」という商品をご存知でしょうか。世界から絶賛を浴びている日本発、住友化学が開発した商品「蚊帳」です。世界で毎年5億人が発症し、百万人以上が死亡している熱帯性伝染病「マラリア」。その9割はアフリカのサハラ砂漠以南のサブサハラ地域で発生しているのです。
 世界保健機構(WHO)などが進める、アフリカでの「マラリア防圧作戦」(2010年までに犠牲者を50%減らすというのが目標)に参加し、この商品を供給し、また現地会社へ技術の無償供与を行っています。
 住友化学が現地企業との合弁で進出しているタンザニアでは、年間1,000万張りを生産(一日に3万張り以上)し、直接雇用だけで3,200人、運送や補修などの周辺ビジネスも加えれば3乃至4倍の雇用を生み出し、更に従業員の現金収入で一家を養っているという事情から、一つの工場で、数万人規模の生活を支えていることになります。
 さらに、ナイジェリアではこの2倍の規模の工場建設が決定しており、5,000人もの直接雇用が生まれます。同社は「蚊帳事業は社会貢献が目的、利益は学校建設など地域に還元する」としているが、購入先の国際機関は「適正利益を確保し事業継続を」と要請する。事業継続が出来なければ、蚊帳の供給も止まってしまう。そこには大きな需要からの期待と、雇用の創出という両面からの「ニーズ」にこたえ、社会に貢献するという商売の本質が見えるようです。
 防虫剤を練り込んだこの蚊帳は、洗濯しながら5年間の使用に耐える優れもの。何のエネルギーも要せず、地球に優しい、日本人の生活の智恵が生んだ「エコ・グッズ」だ。アフリカの地で静かに大きく、伝染病の予防に貢献しているのです。


気になるKEYWORD

消費生活アドバイザー 一級販売士
廣瀬紀子

 ■原産地とは?
 ・原産地とは、原則として当該農畜水産物が生産(採捕)された場所(一般ルール)
 ・畜産物、水産物の場合、その飼養過程・育成過程の中で、産地を移動する場合がある
  例)はまぐり:中国で採捕→日本で浜まき→採捕
 ・複数の産地を経由した場合、もっとも期間の長い場所(主たる飼養地又は主たる養殖場)を原産地として表示(基本ルール)
特例:外国から生体を輸入し国内で飼養した畜産物に関する特例(いわゆる3ヶ月ルール)
「牛を生体輸入し、3ケ月(豚では2ヶ月、牛・豚以外では1ヶ月)以上国内で飼養した場合、国産扱い。」
 *地名を冠した銘柄牛の表示*
「○○牛」「△△牛」等、地名を冠した銘柄牛の場合、主たる飼養地が属する都道府県と銘柄に冠した地名が異なる場合がある
 例:複数の飼養地を経由する銘柄牛の飼養
 A県(6ヶ月)⇒B県(21ヶ月=主たる飼養地)⇒C県(3ヶ月) 
 *よく見られる表示:○○牛(国産)
 ○○は、通常C県に関連する地名であることから、消費者は○○を原産地と誤認する可能性が有り。
(厚生労働省HP・・食品の表示に関する共同会議議事より抜粋)

 これらの特例等に関する問題は、厚生労働省・農水省の委員会で議論されているようですが、現状では知ってないと誤認する状態。松坂牛or宮崎牛、呼子のイカor鐘崎???と私も悩んでいます。美味しくて安心・安全&適正価格であればOKなのですが・・・・。いろいろと悪用されているような気がします。
 ところで、人の出身地を皆さんはどう解釈していますか?これはいろいろと解釈があるようで、出生地or育った場所or本籍地等。悩んでいる人は多いようです(私もその一人)。一言で答えられないんですね。
宮崎県日南市生まれの福岡市育ち(でも太宰府がもっと長いかな)、えっと本籍は結婚して変わっちゃたんですよね〜(^_^;)