会報第16号

もくじ
〜 トヨタ自動車九州・宮田工場を見学 〜
 〜 第4回流通施設等見学会 〜
 =見学会に参加してみて=
〜 投稿記事 〜 ◇役員&会員◇
  なぜか人は左に回る 
  2007年回顧 
  閑話“脳力と能力” 
  RUGBY FOOTBALL 
  長寿の秘訣 
  商店街の活性化と経営革新 
〜 事務局便り! 〜



〜 トヨタ自動車九州・宮田工場を見学 〜
〜 第4回流通施設等見学会 〜
副会長
石原 義曠
日 時平成19年10月4日(土)13:00〜14:30
見学先トヨタ自動車九州株式会社 宮田工場

 平成18年度から新たに年度事業のひとつに加え、年2回春と秋に実施することになった流通施設等見学会の今年度秋季見学会を10月4日(木)の午後、20名の会員の参加を得て宮若市にあるトヨタ自動車九州株式会社の宮田工場を見学してきました。
 これまでの3回は、「イオン福岡伊都ショッピングセンター」H18.6.3(土)、「鳥栖プレミアム・アウトレット」H18.10.7(土)、「ランテック福岡支店の流通センター及び冷凍倉庫」並びに「トリアス久山のコストコホールセール」H19.6.2(土)と、全て流通関連施設を見てきましたが、今回は初めて物づくりの製造現場を訪れ車の生産がどのように行われているかを約一時間半に亘り見学しました。
 以下、当日の概況を一会員として参加した感想を含めて、ご紹介いたします。

<当日の概況と感想>
 10月といえば、季節はまぎれもなく秋である筈なのに、当日は何と30℃近い真夏並みの暑さのなかでの「秋季見学会」となってしまいましたが、工場に一歩足を踏み入れた瞬間、それまでの暑さなどはすっかり忘れて目の前に次々と展開する人とロボットが融合した車づくりの生産技術の素晴らしさと生産性の高そうな作業に終始心を奪われながら、完成車に至るまでの生産工程を案内して貰いました。
 今回最初に案内をうけたのは、この宮田工場で生産されているレクサスやハリアーなどの実車を展示しているゾーンでしたが、ここでは約15分ほど各自が自由に展示車や内部構造がわかるモデルなどを見たり操作したりしてから、これらの「車が出来るまで」の紹介を実際に工程を流れる車に乗って作業が行われているような視点からの映像を見せて貰い、高品質の車づくりにこだわる同社の取り組みについて説明をいただきました。
 うかがった話によると、宮田工場の生産能力は年産43万台(1日当たり1700台)とのことでしたが、現状は繁忙で早朝6時から深夜の1時頃までを2交代制で対応し、1日当たり1950台(55秒に1台)の生産を続けているとのことでした。私たちが見て回った日も組立ラインでは、塗装済みのいろんなタイプの車が淀みなく流れており、約2800点とも言われる部品を組み付ける作業が忙しそうに行われていましたが、そこには独創的なリフト付ムービングフロアーが採用されていたり、現場作業者の提案でフロアー下からの照明が取り付けられていたり、スタッフの創意工夫で作られたというヒトが無理のない姿勢で部品取り付けができる「らくらくシート」なるものを採用するなどして、見るからにクリーンで働き易そうな作業環境が整えられていたのには感心しました。
 更に私たちの目に入ってきたのは、全長100m程の組立ラインが何本か設けられた中で、各ラインに7〜8人づつの人員が配置されていてそれぞれの工程作業が行われていたのですが、例えばフロントガラスをはめ込む作業では、人とロボットが両端を持ち合いロボットが人の動きに合わせて共同作業をしている姿を見せられた時には微笑ましいと言うか何ともいえない衝撃のようなものを感じました。また、シートやタイヤなど特に重たい部品を組み付ける工程では力持ちのロボットが一切人の助けを借りず、全てを自己完結していたのも印象的でした。
 ところで、勝手な思い込みをしてたのですが、これまでは車と言えども特別な仕様車を除きテッキリ家電品などと同じように量産的な仕込み生産で作られているんだという何とも浅い認識でいたのですが全く違ってたんですね。今回この現場で目にしたのは、いろんな車種のマチマチの色をした車が一緒に交じり合って次々に同じラインに乗って流れてきている姿でしたが、これには驚きました。なにしろ、私などがイメージしていた同一仕様の量産品をロットで流して生産効率を上げるという従来的な発想を超えていましたから。この製造現場では車種などには関係なく客から請けた注文をきめ細かな生産計画に基づいて受注納期順にきちっと納車できるように個別受注生産で、無駄なく最良の物づくりをしているんだと言うことが良くわかりました。考えてみれば、当然この方が余計な在庫なども持たずに済み、理に適っていていいですからね。
 そんな訳でこの工場では、例えば「IDタグ」から発信された情報を「生産指示紙」に打ち出して個々の車両に取り付け、どんな車種が流れて行っても正確な組み付けができるような工夫と配慮がなされていたり、全体の稼動状況についても常にリアルタイムで表した「総合アンドン」というものを掲示して生産情報の共有化を図るなど、働く人と生産される車への徹底した目配り・心配りがなされていることが分かり、流石は最先端工場との印象を持ちました。
 実は、10数年前同社がこの地に創設(1991年創立)されて間もない頃にも、機会あって二度ほどマークUなどを生産しているところを見学させて貰ったことがありますが、時を経てまた一段と飛躍した魅力ある工場になっている姿を目の当たりにして、かつて創業者の豊田佐吉翁が言われたという「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」との言葉を思い出しました。
 今回もまた、本当に学ぶことの多い見学会でした。

=参加者の声(敬称略、順不同)=

 秋晴れ(残暑が厳しい中)の10月4日に、トヨタ学として世界中から注目されている、トヨタ自動車の工場見学を実施いたしましたので、参加者及び参加予定だった会員の皆様の、感想をまとめさせていただきました。
 多くの参加者の声を頂きまして、本当にありがとう御座いました。今回参加されなかった会員の皆様の次回以降のご参加をよろしくお願い致します。
事務局長 泉  亨

佐田 智彦 ●約一時間半の見学は程良い時間でした。
●出迎え、部屋での応対等、見学館内の女性陣はさすがに見事に鍛え抜かれています。
●藤本義一の言葉に、「しょう」をキーワードにした、商は笑にして勝なりとありますが、スタッフの皆さんの笑顔が素敵でした。
●ロビーの水のおもてなしは隠れたサービスで良かったよ ! (美味しいお水でした)
●小中学生の見学者を将来の顧客とみなしている戦略はすごい! 館内を自由に走り、跳び、はしゃいでいる光景は若さの象徴で素敵だ。
●小中学生の見学者が受付で、(こんにちは)と大きな声で挨拶していた。我々は彼らのように、あんなに溌剌とした言葉、態度であったかしら・・・・?
●記念品としてキーホルダー(2,600円)を買いましたが、買物対応に慣れていないのか、領収書、おつり等の仕種がスムースではなかった。
●なにはともあれ、2時43分のビールでの乾杯は最高 ! ! !
高柳 和浩 ●百聞は一見にしかず ! 想像していたものとは違った。
●効率と安全性のみならず従業員の意見を取り入れた、従業員満足の高い工場だと思った(これが品質の高さに繋がっている?)。
●工場のレベルだけでなく、案内する接客員のレベルも高い。(説明のやり方、礼儀作法等)
庄崎 憲太郎 ●日本を代表する大企業だけあって、無駄を無くす工夫がなされていた。
●効率を良くするため、下請業者は泣かされているのでは?
●僅か一分足らずで車が一台出来ると云うのも驚きでした。
●車を製作するロボットや工具類を開発するのは、大変だろうと思った。
●従業員も休む暇も無く働いているのを見ると、私には勤まらないと思った。
泉 亨 ●先ずはスケールの大きさが想像していた以上だった事に感動 !世界に冠たるトヨタの資本力に圧倒されるばかりでした。
●大きな動き、大きな力を要する部分は機械力 ! 小さな動き、小さな力を要し、さらに色々な部品を組み立てて一台の車を作り上げる部分は人間力 ! と、調和の取れた作業の流れに更に感動!
●効率性はとも角として、従業員に対する労働衛生上の気配り、心配りは素晴らしく、さすがは大企業との感あり。
●”物づくりは人づくり”と云われているが、熟練工の大切さが良く理解出来た(品質維持と向上のために)
●PR館で働く女性陣の洗練された動きにも感心させられた。
●少々残念だったのは、担当者相手の質疑応答が無かったこと。
山路 博之 ●世界の最先端の技術を誇り、儲け頭でもあるトヨタの最新鋭工場がどのようなものか、見学する機会を得て大変勉強になった。
●私もメーカー出身で、当時の業界では世界トップの工場と比較してどのように違うのか見て回った。
●工場内の整頓・清潔・綺麗さは、トヨタの進化したカンバン方式の結果だと思われる。
●従業員の勤務態度の素晴らしさ。非正社員が3割もいるのに正社員と変わらない働きぶり。さらには無駄と無理の無い労働環境等感銘を受けた。
●最新の流れ作業システム、溶接・塗装等ほとんどロボット化されている点等、流れ作業の先駆者であるFORD時代とは全く変容していると思われる。
●世界の自動車メーカーはトヨタの生産方式を真似し、また他の業界もトヨタの素晴らしいシステムを真似して、生産効率向上にまい進していると云われているが、トヨタ学を世界中で研究しているわけだ。そうすることで、日本全体の製造技術がアップし、世界をリードしているわけで、近い将来トヨタの更なる技術革新を見れることを期待したい。
●日本の製造力はトヨタの躍進に掛かっていると思って良い。
石原 敏 ●是非一度は行ってみたかった工場だったので大いに期待していました。企画運営のご尽力に厚くお礼申し上げます。
●平日では参加し難い現役の方も多く居られたと思いますが、それでも20名の参加は大成功です。
●出来ることなら9時頃の開始早々の組に入りかったと思います。私はゴルフの場合でも朝の一番スタートが好みで、そうすると終了後さらに別件がこなせて、一日がより有効に過ごせるからです。
●食事の場を最適な場所に設定して下さいましたので、帰路の心配もいらず、ゆったりと寛げ疲れもありませんでした。定食も良かったのですが、アルコール類は飲まぬ人も居られるし割高になりますから、私等酒好きは追加料金を徴収して下さい。
●興味は各人各様でありましょうが、私が見学した工場等で印象的だった所を三つ上げます(酒関係は除く) 新日鉄・キューピー・玄海原発 以上思いつくままに。
坂上 好美 ●平成19年度の秋季流通施設見学会として、「トヨタ自動車九州(株)」を企画していただいてありがとう御座いました。
●まずスケールの大きさとFAの徹底に感心しました。さすが世界の自動車メーカーの考えることは違うなと云う事です。「カイゼン」に代表される「ムダ」を隅々まで削ぐ考え方は、一般的な企業にも参考になる行動ではないかと思いました。
●その一つとして、「車体の下から照明する」カイゼンを宮田工場の社員による提案で実現し、全社展開にまで発展させたこと。QC活動の活発さが目に見えるようでした。
●また、説明者(女性)の製品の完成度が20%の発言には一寸吃驚しましたが、自信の現れと理解しました。
●生産工場の生産性の向上に、カイゼンが寄与している現場を見せてもらい大変参考になった一日でした。ありがとう御座いました。
嶋戸 義絋 ●トヨタ生産方式の全体像は、いまだ、公開されたことが無いそうですが、海外は勿論のこと、国内の経営者・研究者・学者等でも「全てを理解しているかどかは疑問」とのことです。工程の一部でも”現地で現実を見せてもらえる”とのことで、期待して参加させていただきました。
●ジャスト・イン・タイム生産を実現する道具のカンバンは、スーパーマーケットからヒントを得て考え出されたもの、と云われていて、私も何と無く”トヨタ方式=カンバン(目に見える帳票)方式=ジャスト・イン・タイム(必要なものを、必要な時に、必要なだけ)方式と思っていましたが、かなりの勘違いだったようです。
●スタッフ・従業員さんの、ソフトな中にも機敏で活気ある態度を観、ガイドさんからは(人)によって行われる”目で見える管理(情報がカンバンに付いて動く)”及び「人」の提案・工夫(らくらくシート等)を大事にしていること等の説明を受け「人(事業に関わる全ての者)をベースとしている」と云うことを改めて教わりました。
●トヨタ生産方式は「機械・作業員の徹底したムダの排除による効率化の追求」とばかり思っていましたが、「効率的製造システム」と云うだけでなく、そこに「人」を基本としたことにより経営全般の哲学となったものと認識いたしました。
●最後に、企画頂きました関係役員の皆さんに感謝致します。 
戸田 俊彦 ●作っている物がデカイせいもあるのだろうが、とも角工場の規模のドデカサに圧倒されました。
●PR館に展示されている車は、いずれも3000ccクラスで、ここで生産された物の9割は輸出され、1割が国内で販売されているとのことだったが、日本で3000ccクラスの車に乗っている人とはどんな人だろうかと、想像がつかなかった。自分の知る範囲では、エライさんでもクラウンクラスであり、日常付き合いのある人間はせいぜい1800ccクラスか1600ccCクラス止まりである。私自身は定年退職まで、1200ccのスターレットに乗っていた。ちなみに現在はダイハツミラである。
●ポイント、ポイントでガイドさんが説明してくれたのだが、子供の頃からのメカオンチのため、トヨタの生産方式が他社と比べてどう優れているか理解できなかった。
●3万点もの部品を組み合わせて作られているとのことだが、複雑な精密機械の固まりを作っている割には製造に従事している人の数が少なかった。その分優秀なロボットが活躍しているということなのだろう。
●最後に、石原顧問より外部不経済の問題性の指摘があったが、全く同感である。その流れの先には自衛隊の海外派遣の問題が見えてくるし、カントリーリスクや海賊行為からの安全確保のためのコストを、国=税金に肩代わりさせようという意図も見えてくる。“鉄は国家なり”から“自動車は国家なり”へと時代が変わったということなのだろうが、永く中小の流通業で働いてきた者にとっては、なんとなく違和感を禁じえない。
小関 芳紀 ●先ず、日本の自動車メーカーの技術のすごさ、素晴らしさをダイレクトに感じることが出来たので、本当に良かったと思います。
●ラインが一台一台異なる車種、仕様の車が次々と組み立てられていくさまは、自動車産業を支える産業用ロボットの技術とIT技術が如何に最高のレベルで稼動しているかが良く判り印象的だった。
●従業員が、一見非人間的、ロボット的存在に見えますが、しかし、不具合が生じる前に未然に察知し修復して、再びラインが正常に動き出す要の存在であることがわかり、やはり、人間の存在感を改めて確認することが出来ました。簡単ですが感想です。
福生 和彦 ●感想を一言で云えば、ロボット化があそこまで進んでいるとは思いませんでした。
●ラインで働く組立工までがロボットのように見えました。と同時に組立工の労務管理は、どのようになっているのか大変興味を持ちました。
●機会があれば、一度トヨタの労務担当の話を聞きたいと思います。
中村 純治 ●いまや九州は、半導体産業中心のシリコンアイランドのイメージから、年間150万台体制の自動車産業に変身しつつあります。そして地元中小企業製造業はこれをチャンスと捉え、自動車産業への参入を試みています。しかし、自動車産業にはQCDの面で低コスト・高品質。即時納入(ジャスト・イン・タイム)に追従できる企業だけしかついていけないと云う宿命を持っています。そのような自動車産業の本家・本元の工場を見学出来たことは非常に幸いでした。以下箇条書きで感想を述べてみます。
●部品製作→プレス→ペイント→アッセンブリ(組立)の工程順に工場棟が配置され、部品輸送効率の高さを感じられました。
●「ジャスト・イン・タイム」に代表される「カンバン;後工程引取り方式と云われ、部品の補充はカンバンにより行われる」「アンドン:工程にトラブルが発生するとアンドンが点灯され、関係者が直ぐに駆けつけ対処する」を目の当たりにすることが出来て非常に参考になりました。
●搬送コンベアはトロリーコンベアが採用されており、工場内を三次元的に活用している姿は素晴らしいものでした。
●工程間にはバッファ(緩衝エリア)が設けてあり、一部の工程でトラブルがあって停止しても、全体の流れが停止しないようになっており、生産の挽回も可能な仕組みとなっていました。
●最終工程は検査工程があり、機能検査(エンジン等各種機能、水漏れ等)や、外観検査(キズ等)などが行われていました。
●不良率を聞くと、「直行率(良品数÷出来た製品数×100)」は80%との答えが返ってきました。キズで不良品と判定されることがほとんどとのことで、それだけ厳しい検査をしていることになります。もちろん、車全体を廃棄するのではなく、不良部品を取り替えて良品としています。
●販売士から見ると案内担当者の接客技術が気になりますが、挨拶の仕方、質問に対する受け答えの仕方、生産に対する知識等申し分ないと判断しました。
●残念なことは組立第一工場だけの見学だったことです。レクサスを作っている第二工場やプレス・ペイント工場も見学したかったと思います。
●最後に(行って良かった)と思わせる工場見学会でした。ご手配に尽力された渡辺さま、そして役員の方々本当にご苦労様でした。貴重な経験をありがとう御座います。
岡野 卓也 ●日本のトップ企業である「トヨタ自動車九州(株)」の製造工場を見学する機会に恵まれ参加いたしました。
●トヨタのカンバン方式を始めて見学し、徹底した改善に感激よくぞここまで効率化を図ったものである。例えば車の座席が、納品されたトラックから直接工場のラインに組み込まれる等、在庫をここまで無くす方法を実施することはすごい発想である。部品業者との信頼関係なしには出来ないことですし、このような部品が車一台の製造に2,800点も使用されている事に改めて感心いたしました。(部品の数だけ協力会社があることに驚き)
●床に埋め込まれた照明、1人乗り「らくらくシート」等、優れた作業効率を高める工夫にも感激です。
●今回は仕事の途中で抜け出しての参加となり、車にて現地集合致しましたが、前回のランテックの経験が生かされませんでした。トヨタの代表番号をナビに登録し、いざ工場に向けて出発致しましたが、ゴール地点は山の中で遠くに工場の黄色い煙突が見えるではありませんか。機械を信じてましたが、改めて事前調査の必要性を考えさせられました。
●最後に工場見学前の集合写真を参加者全員で撮影いたしましたが、確認すると20名の参加者であったのですが、16名しか写っていませんでした。大勢での記念写真ですが、ここにおいても人数の確認が必要との事、強く反省しました。記念写真に写っていない参加者の方にこの場を借りてお詫び申し上げます。
渡辺 芳雄 ●「鉄板一枚から車が出来るまで」の流れを、映像やパンフレットでインプットし、そして実際にアッセンブリー工場内を歩いて見学しました。世界最先端の技術と創意工夫で車両が生産される様子を目のあたりに出来たのが大きな収穫でした。
●広大な(34万坪)敷地にヤフードーム16個分の工場や施設があり、そこで毎日6千人の人が二交代制で働き、55秒に一台の割合(年産43万台)で完成車を生産、そのスケールの大きさやシステムの凄さに感心しました。
●一方でこの時期(9〜11月)の1日あたりの見学者は、小中学校からの見学を含め6〜700人ほどあるそうです。こちらも大量生産でした。従ってゆっくり質疑応答するような時間をとって貰えなかったのはちょっと残念でした。(戦略上の理由もあるかも知れません)
●最後に企画委員会から一言。今回は今話題の企業ということもあって、平日にも係らず20名の方が参加されました。特に流通との係りはありませんでしたが、皆さんの期待・要望に応えられるのであれば、このスタイルの見学会が年に一度はあっても良いのではと考えています。
●今のところ、そういう意味で、石原顧問から、新日鉄、キューピー、玄海原発等が上げられているようです。皆様からの積極的なご提案・ご要望をお待ちしています。



〜 投稿記事 〜 ◇役員&会員◇

なぜか人は左に回る

会長 一級販売士
栗川 久明

 このテーマは日経新聞10月27日付の記事「なぜか人は左に回る」から拝借したものです。
 記事の内容は、時計回りと逆回り、どちらに動いてもいいと言われたら?人は無意識のうちに、左手が内側にくる反時計回り(左回り)を選ぶという説があるということです。
 私どもの身の回りでも、左回りの例を多く見かけます。
 私は、中央区黒門に引っ越してきてから、健康管理のために大濠公園に散歩に出掛けますが、ウオーキング・ジョキングをしている人はほとんどが左回りです。また、ジムの水泳プールに行きますと、水中ウオーキングも左回りです。この他にも、陸上競技、スケートリンク、自転車競技、競馬、野球のベース等回る競技はほとんどが左回りです。
 陸上競技では、1896年、アテネで行われた第一回近代五輪の陸上トラックは、今とは逆の右回りだったそうです。左回りの現行ルールで統一されたのは、国際陸上競技連盟が創設された1912年で、「走る方向は左手を内側に」と定めてからです。
 遊園地では、メリーゴーランドが左回りなのに対し、ジェットコースターは恐怖を感じさせるために逆に右回りにしているそうです。
 右回りを時計回り、左回りを反時計回りといいますが、どうして時計は右回りになったのでしょうか?
 時計回りが右回りになったのは、機械式の時計が出来たのが1300年頃で、もともとあった北半球の日時計が右回りであったのに合わせたというのが通説のようです。

 それでは、どうして人は左回りを好むのでしょうか?その理由にもいろいろな説があるようです。

 ・世の中の人は90%以上が右利きであり、人間工学的に見ると右利きの人は左足を軸に左回りに動く傾向があるという説
 ・右利きの人は右足で踏み出すので左回りになるという利き足という説
 ・利き腕に関係なく、左足に体重が乗る動きが理にかなっているという説
 ・左回りが走りやすいと感じる人が多いのは、慣れが大きいという説
 ・左回りの多い生活環境に人間が順応したという説
 ・左側にある心臓を守るには、左に傾いた方がいいという説
 ・右に心臓よりもずっと大きい肝臓がある分、バランスをとるために左に重心が移る習性があるという説

 この「なぜか人は左に回る」という習性を店作りに応用しているケースも多くあります。

 ・スーパーマーケットに行きますと、入り口を正面に向かって右側に設ける左回りの動線が主流です。スーパーマーケットの場合、米国の輸入である、右手で壁際の商品をとりやすいなど左回りの理由には諸説があります。一方、立地の関係で右回りの店舗も少なくなく、左回りを原則とする会社が多いというのは慣習が理由のようです。
 ・コンビニエンスストアの場合、客動線は弁当を買うことを想定して設計されています。左側に入り口があるコンビニの弁当は入り口の真向かいにあり、右側に入り口があるコンビニの弁当は左の奥にあることが多いようです。
 ・ファーストフードのレジも、銀行のATMも、利用が終わったら左に出る形になっています。

 「左側のパラダイスの法則」というのがあります。

 規制のない商店街はほとんど左側通行になっています。店舗やテーマパークでも大半の客は左周りに動線が流れます。
 人は左に向きやすく、左の方が人の視野に入りやすいので、人の流れの左側に店を置くように配置されています。
 人はさなざまな場面で本能が出てきますので、店の動線や、ショーウインドウ、POPの位置などに、この「左側のパラダイスの法則」を意識して店づくりをすると、お客様にとって居心地の良い店になります。

 「カクテルパーティの法則」というのもあります。

 カクテルパーティの会場で、友達と楽しい時間を過ごす時。参加者は会場の入り口を入ると左側の方に進み、そこから会場を右回り(時計回り)にめぐる傾向があります。そして会場をほぼ3分の2程度回ったテーブルのあたりが人のたまり場になりやすい。これを「カクテルパーティの法則」といいます。

 このように、時間をゆっくり過ごしたい時は、人間は無意識に右回りを選ぶ傾向があるといわれます。デパートでエスカレーターを降りた時に、左側からゆっくり見て歩こうという、無意識の右回り指向も多いのではないでしょうか。


2007年回顧
顧問 一級販売士 登録講師
大原 盡

 1 はじめに
新年間近く、回顧を纏めました。「丁亥」の本年は地下の悪根と善根の闘争で流通業界は食品の消費・賞味期間。産地の誤表示等が表沙汰になりました。
「赤福」「吉兆」「明太子」「マクドナルド」が消費者を欺き業界の信用を失墜させ、「商人としてのあるべき心構え」が欠如し経営者に良心はあるのかと、問題提起がなされました。販売士有志は「商業道徳」振興を今こそ図るべきだと日本販売士協会に提言する次第です。

 2 商人である前に人間であれ
昔、商人の身分は下げ卑しまれ「士・農・工・商」と最下位でした。それは不当の利益を貪っていたからだと云われています。しかし、石田梅厳は商人の得る利益は正当な労働の結果であり、決して暴利ではないと正論を述べて、商人の人格向上を図ったのであります。故に人格「礼儀・良心・正直。誠実。謙虚・約束厳守・検討・協調等」を磨かねばなりません。しかも、商人として「三方良し」の善環境に徹すると「顧客満足」になるのであります。「顧客満足」は、周りの人全部を顧客にして応対できるよう、出会った人誰にでもその人の為になることを提供すれば「善の循環」の実践となり、お互いに幸福が舞い込むと信じております。

 3 一年の回顧
 18歳から売場に立ち接客に明け暮れ苦労した当時を思い浮かべると、今の販売員に希望が持てる助言がしたい気持ちになり、天神界隈の商店販売員で熱心な方々には、販売士受験勉強を薦めてきました。素直に勉強したいと云いますが、二度目に会った時は曖昧な返事しか返って来ません。しかしそれでも諦めず機会あるたびに勧誘しております。
 図らずもある店舗の二世の方にご縁が出来、心について話をしたところ非常に関心があったので心の資料で勉強をしております。「心に描くままに人生は創られていく」ことから、バスを降りる時には「有難う」と挨拶しておりますが、不思議なことに乗りたいと思った時には自分の行きたいと思う方角のバスが大抵やってきます。来ない時は焦らず「今日はツイテいないのかな」と思うだけです。時にはバスが待ってくれる時もあります。「類は友を呼ぶ」ように思いは叶えられ「求めよさらば与えられん」になります。
 情報が必要な時に集まり、薬石収集でマイナスイオンの森林浴を就寝中に行い若返りを図ってきました。また、各種セミナーに招待され最新の研修会を見学する機会にも恵まれました。
 心に響く人脈は拡がり、インターネットで新知識を習得し、新聞未載の情報入手も開拓しました。自分でプリンターの修理も出来、通風や目眩の兆候も大事に至らず一年を過ごすことが出来ましたがまだまだ油断は禁物と思っています。

 4 トヨタ見学で学んだこと
 トヨタ見学は作業に馴れた動きに刺激され、日常の何気ない動作の中でムリ、ムダ、ムラの排除を図り改善に励んでおります。今回の企画を立て実行された皆さんに感謝しております。

 5 まとめ
 お陰さまで、この一年間思い掛けない良い年で、感謝しております。切符を見つけていただいた佐田さん有難う御座いました。鹿児島の芋焼酎をお世話していただいた岡野さん有難う御座いました。「正義闘争」になる本年の運勢は慎重に対処して無事に過ごせそうです。「気」が出るように工夫していると動き出し自在力が少し出てきたようです。2008年は10=1で始まる年、自分を高める目標を立て積極的に行動しましょう。皆さん、本年は大変有難う御座いました。来年も何卒よろしくお願い申し上げます。


閑話“脳力と能力”
副会長 一級販売士
石原 義曠

 私事ながら、60半ばが過ぎ定職も離れて安閑となりがちな日々の中にあってか、この頃は過去から未来へといろいろと想いを巡らすことが多くなってきたように思います。
 よく聞かされる話ですが、私たちの脳細胞は140億もあるそうですが通常の人はその7〜8%しか使い切ってないと言われます。最近とみに思考能力に加えて記憶力の衰えまでも感じ始めた私なんかは、きっとその又半分にも満たないのではないかと思いますが、大脳と言うのはキチット使っていけば最高の働きをするのは75歳ぐらいと言いますから、まだまだ先に希望をもって頭(脳)を使い始めてみようと密かに来たるべく新年の目標にと目論んでいるところです。
 ところで、船井総研の船井幸雄さんは、かって社員の能力アップについて「部下を持つ者の務めは、部下の人間性と仕事力を短時間に向上させることだ」と言われ、そのためには「勤務時間とは別に部下が毎日、朝5時から夜11時まで年中欠かさず勉強し働かなければならないように仕事を命じ、その内容もアタマがよくなり、意思が強くなり、プラス思考をしないと達成できないようなものにすることだ」と話されていました。
 このことからも、如何に脳を使い鍛え切ることが人の能力の差になって現れるかに気づかされましたが、一人間としてはもちろん、こんな上司であるには先ずもって自分自身が日々脳を活発に働かせ自らを高め、人を動機づけ活かす術(すべ)を身に着けることだと思います。今更悔いてもしようがないことですが、現役のころ折角こんなよい教えを知ったにも拘らず実行できなかった自分に、せめて、これからは心身の老化を防ぎ少しでも永く社会への奉仕ができるよう脳を使う努力を一からやり直してみようという思いに駆られている昨今です。


RUGBY FOOTBALL

一級販売士
佐田 智彦

 第6回ワールドカップ(W杯・フランス)は、ニュージランドやフランスという世界の強豪を下した南アフリカの優勝で幕を閉じた。
 ラグビーが他の球技と大きく相違するものには、体をぶつけ合う、タックルが認められている等で、球を奪い合う「密集戦」はラグビーの原点でもありこの優劣が勝負に大きく関わってくる。私自身ラグビーの体験はないが、このスポーツを私は人一倍好む。
 1823年に英国のラグビースクール(1567年創立)の学生が、フットボールの試合中にルールを無視してボールを抱え込んで走り込んだところからが起源のようだ。180数年の歴史を誇る。日本では1899年に慶応義塾大学へ伝えられ、同志社大、早稲田大へと発展していった。また1988年には日本女子ラグビーも創設され、ワールド大会も開催されている。
 学生時代野球部に所属していた私は、隣のグランドでラグビー部が練習していた。体の大きい人へのタックルや、ルーズボールへの身を賭したセービング、踏まれ、蹴られ、負傷がつきもののスポーツを時々眺めたり、部員からボールを借りて真似事をしたりしていた。もし野球をしていなければ、このスポーツで青春時代を大いに楽しんでいたかもしれない。
 私がラグビーファンになったのは今から約30年前頃からで、もともと眠っていた憧れ的な感情が芽生えてきたのかもしれない。それからは、TV中継(11月23日早慶戦を皮切りに、早明戦、大学選手権、社会人、高校生)に夢中となり30年間欠かさず観戦している。この観戦中は、40分ハーフの前半・後半と10分間の休憩時間を入れると約2時間近くが、私はTVの虜(一番集中している)になる時間帯でもある。
 そのような私に、40歳の誕生日のお祝いに、家族から本物のラグビーボールをプレゼントされた。いささか驚いたが嬉しかった。その贈り物は今でも大事に保管し、私の宝物である。楕円形のボールは落下地点の球の角度によりどこに行くか分からない。運良く味方に有利になる場合もあるし、また不運にも相手側の攻撃チャンスを作ることもあり、ラッキー(又はアンラッキー)とその試合をも大きく左右する。まさに人生とよく似ていて、先行き分からないのが面白い。分からないから研究し、練習し、体を張って本気で試合に臨む・・・・それが観ていて楽しい。
 ラグビーには「One For All, All For One」、「一人はチームのために、チームは一人のために」という言葉がある。これは組織全体のまとまりの重要性を強調したものである。
 小・中・高・大学・社会人と段階はあるもののいずれのラグビー試合もそれなりに面白い。世界のレベルから観ると日本は18位にランクされ、国際試合では勝てない。勝てない原因は、日本人と外国人とのフィジカル、メンタル、テクニカルな面だけではなく、幼少の時代から綺麗な芝生の上で、家族団欒で楕円形のボールと慣れ親しむ姿、また国を代表するスポーツだということも力量の差の大きな要素であろう。いつの時代かジャパンも国外チームと互角に渡り合って欲しいものだ。
 この原稿が発行される時期には、近鉄花園にて高校ラグビーが開催される。特に好きな大学チームも数校に絞られる。また社会人も激戦中でいずれにしても年末からお正月にかけてさらに2月までは私とラグビーとの心躍る国内冬季スポーツのシーズンでもある。
 私の文章も、ノーサイド(試合終了の合図と、勝敗に関わらず敵味方の区別がない精神)。


長寿の秘訣
事務局長 食生活アドバイザー
泉  亨

 ◆健康と長寿への提言33◆

 1:心が老いれば体の老いも加速気味、気を若く保ちましょう!
 2:心をときめかせ、美しいものに憧れましょう!
 3:年だからと諦めないで自信を持ってチャレンジしましょう!
 4:積極的に活動し、心身機能の低下を先送りしましょう!
 5:自己鍛錬、栄養管理に気を配り、生涯現役の気持ちで!
 6:目的意識を持って活動的に生きるよう心掛けましょう!
 7:雨にも負けず、風にも負けず、ストレスにも負けないで!
 8:くよくよしないで取り越し苦労等もっての外と心得よう!
 9:もう ! より、まだ ! の気持ちを大切にしましょう!
10:歩く速度を変えながら良く歩き、足腰を鍛えましょう!
11:1常に前向きに物事を考えポジティブに人生を送りましょう!
12:加齢と老化は同じではない。暦年齢など数えないこと!
13:慌てない、騒がない、気張らない。平常心が一番!
14:老いるほど気持ちは柔軟に、頑なな心は何の益もない!
15:人生いろいろ、様々な出来事に関心を持ちましょう!
16:何は無くとも、命の根源である “食”は豊かに!
17:低栄養は老化の源、感謝の気持ちで食事を楽しもう!
18:偏食も老化の一里塚。調和のとれた食事を心掛けよう!
19:動物性蛋白質や油脂類も不足しないように摂りましょう!
20:調味料や香辛料を上手に使って、塩分を控え目に!
21:食べ過ぎや、不規則な食事時間も老化を招くと知るべし!
22:添加物が多い食品は、活性酸素を発生させるから要注意!
23:豚足や手羽先に含まれているコラーゲンは若さの元と知るべし!
24:良く噛み、唾液をたっぷり出すと活性酸素が消えて健康に!
25:湯上りに清浄な水を一杯飲むのは、健康の秘訣!
26:新陳代謝を促進し老化予防に役立つお茶を嗜むべし!
27:緑黄色野菜や根菜類など多種多様な野菜類を食べましょう!
28:野菜は、生より加熱調理したものをたくさん食べましょう!
29:魚偏重、野菜偏重は駄目! お肉も含めてバランス良く!
30:陰と陽、食事量と運動量、各栄養素等の均衡を考えましょう!
31:和風、洋風、中華風など目先を変えて食事を楽しみましょう!
32:お酒はほどほどに、煙草は控え目に(禁煙は無理な方へ)!
33:噛む力は強い程健康を保てます。歯の手入れをしっかりと!

 会報16号が会員の皆様のお手許に届くのは、19年の年末になります。33の提言を毎日の生活に取り入れ、元気で健康的な平成20年度を過ごされますよう祈念致しております。


商店街の活性化と経営革新
一級販売士
中村 純治

 「地元に貢献したいと言う想い」から参加した二日市4商店街の活性化には、私と同じ想いの多くの参加者があり順調な滑り出しをしています。
 中央通り商店街の真ん中に「ほっと二日市」と言う無料休憩所を開設し、メンバーが交代で詰めています。そして週に一度は、20名ほどのメンバーとともに商店街の活性化について議論を重ねています。メンバー構成は市民、商店街店主、商工会、市役所の4者でありそれぞれが寝食忘れて(?)取り組んでいます。
 市民も多彩なメンバーで溢れています。町内の役員をしており町内のことに詳しいひと、子ども会の役員をやっているひと、町内の会報発行を手がけ文章作成が上手なひと、イラストや絵が得意なひと、ビデオ撮影が得意なひと、パソコンが得意なひと、大工仕事が得意なひと、書道が得意なひと、広告宣伝が得手なひとなどがいて頼もしい限りです。ひとりひとりが自分の貢献分野を自分で考え実行し、自分の存在価値を作ることを楽しんでいます。
 二日市の由来は鎌倉時代ごろから毎月2のつく日に市が開かれていたところからきました。二日市の周りには、歴史的建造物の日本最古と言われる武蔵寺や筑前国続風土記附録に出てくる二日市八幡宮があります。また、万葉集にも登場する二日市温泉は江戸時代に藩主の「御前湯」が開かれました。古くは旧石器時代の遺跡なども各所に点在しています。弥生時代の原口古墳や五郎山古墳などもあります。そのような歴史の街なのです。
 そのような歴史に恵まれた中心市街地の中の二日市4商店街も、最近は郊外の大型商業施設やロードサイドの量販店に押されてめっきり人通りが少なくなりました。シャッターの閉まったお店もあちらこちらに出てきています。このままだと人通りは一層少なくなり、売上高は激減し最後は閉店となります。そうさせてはいけないと「自分の街は自分たちで守る」と言う想いで立ち上がったのが前記のひと達です。
 「考えているよりもまず行動を起そう。行動しながら考えよう」、「ひとが集まるところに一層ひとが集まるからイベントをやろう」、「仲間を増やすためにボランティアを募集しよう」と次から次へと意見やアイデアが出され行動に移しています。そのような中、私が貢献できる分野は何かを考えました。「街の活性化の2大テーマは「イベントによる集客力の向上」と「魅力ある個店作り」ではないかと考えました。イベント企画は夏に「七夕祭り」を終了し、冬は「イルミネーションの点灯」が企画されています。しかし「魅力ある個店作り」はまだ推進されていませんでした。そこで考えたのが経営革新計画の作成です。
 経営革新計画とは中小企業新事業活動促進法に基づくもので、経営者の思いを達成させるための武器です。経営計画は一定以上の新規性と利益が必要とされます。経営計画が妥当と判断されると経営計画承認書が県知事から発行されます。つまり「志の高い経営者がいる店舗」と言うお墨付きをいただけるわけです。
 早速、「市民と商業者の合同会議」で提案しました。商工会は経営革新計画推進がテーマでしたから賛成をいただきました。私も商工会連合会にエキスパート登録をしていまして、専門家として協力する場が出来ていました。しかし、商業者は「店舗を革新することは願ってもないことと思うが、過去3年分の決算書を提出しなければならないのは、パンツの中を覗かれる気分だなあ〜」と二の足を踏んでいました。でも「やらなければならない」「やるべきだ」と言う気持ちのほうが打ち勝ち一歩踏み出すこととなりました。
 商業者は経営革新をやる気持ちは常日頃から持っています。しかし、やり方がわからない。またやり方がわかっていても相談する人がいない。したがって、なかなか実行しづらいと言う状況下にあります。そのようなひとたちの肩をちょっと押すだけで踏み出す機会を与えることが出来るのです。
 「なぜ、国や県は経営革新に力を入れているの?」「何を期待しているの?」と言う質問が飛んできます。そのとき決まってこう答えます。「店舗が栄えると利益が沢山出ます。そしたら税金も沢山納めることになります。それだけ国も栄えることになります。」「また従業員を採用することになると、失業保険の給付も減少し国の負担も軽くなります。」と。
 既に「ほっと二日市」の代表であるF文具店さんが挑戦していました。F文具店さんの推薦もあり、事務局長を担当しているH仏壇店さんと会計を担当しているG花屋さんが挑戦することになりました。試行錯誤の毎日でしたがなんとか申請に漕ぎ着け、県知事の承認も頂くことが出来ました。その後、Eパン屋さん・T靴屋さん・A自然食品屋さん・O酒製造屋さん・N手芸材料屋さん・T婦人服屋さん・H印判屋さん・S金物屋さんなどが引き続き挑戦しています。みなさんが口を揃えて言われることは「日頃の思いが、図や表に整理され非常に分かりやすくなった。有り難い!有り難い!」と。
 経営革新計画が承認されることがゴールではなくスタートです。3年から5年の間、目標に向かってそれぞれの店舗が努力していく姿に素晴らしさを感じることと思います。また、勉強会などを開催しお互いの良いところを吸収し且つ助け合いながら進めていきたいと思っています。結果として魅力ある個店が沢山できて繁盛し、商店街に再び人が溢れることを願いながら活動して行きます。地元を愛する素晴らしい仲間たちと・・・・


事務局便り

事務局長 泉  亨

 各地販売士協会の活動の一端を、その会報のダイジェスト版を通じて会員の皆様にご紹介いたしたいと思います。

<仙台販売士協会>
 1:新任会長である湯目氏の挨拶の一部
  販売士である会員の皆様が一層の資質の向上を図っていただき、地域の小売・流通業界のリーダーとしてご活躍いただけますよう、販売士の育成、販売士制度の普及に努力するとともに、会員相互、各地販売士教会との幅広い交流を中心に各種事業を展開してまいりたいと考えています。
 2:平成19・20年度の役員紹介
  顧問一名、参与四名、会長一名、副会長四名、理事十名、監事二名
 3:平成19年度総会を6月5日に仙台商工会議所において開催。
  その内容は 役員の改選、優秀販売士の表彰式(個人表彰4名と企業表彰2社に賞状と記念品の贈呈)、会員ふれあいの集い等。
 4:平成19年度の仙台販売士協会・事業計画の発表
 5:会議の運営(総会、役員会、幹事会ならびに小委員会)
  販売士資質向上関連事業(各種講演会、情報の提供、販売士要請講習会、資格更新のための講習会、各地販売士教会との情報交換、会員親睦会)
 6:販売士制度普及振興関連事業(通信教育の斡旋、PR活動の実施、会報の発行、合格証書の授与式、広報・PR活動のためのパンフレット発行、受験者拡充に向けた取り組み、ホームページの運営)
 7:会員増強のための活動及び財源基盤の確立を図る
 8:その他目的達成に必要な事業(来店客への接客向上への支援)
 9:移動スタディー研修会(今回は大崎市の人気スポットを視察)
 10:事務局からのお知らせ(視察研修会参加者の募集、会員限定の投稿コーナー、会費納入のお願い、会員募集について、検定試験の案内、編集誤記等)

<ちとせ販売士会>
 1:夏の交流会の報告
 2:風呂敷包みと和の作法講座
  千歳市民活動交流センターにおいて、小林豊子きもの学院千歳分校長を招いての実技指導を行った。
 3:2級販売士養成講習会を実施
 4:秋の研修交流会
  袴一喜氏を招いてテレビコマーシャルの魅せ方についての講演会開催
 5:日経新聞の切り抜き記事の掲載(接客に関する記事)
 6:講師陣自主研修会の実施
 7:ブラッシュアップ講習会の案内
  販売士テキストの改定を受けて、新旧の相違点、新規の内容やその特徴等に関する説明会
 8:おもしろラッピング教室開催の案内
  クリスマスバージョンのラッピング教室
 9:販売士手帳及び同カレンダー販売の案内

<長崎販売士プラザ>
 1:平成19年度講習会・講演会の案内
 「POP講習会」効果的なPOP・看板・ディスプレイの作成方法 11月予定
 「九州販売士交流会」九州各地の販売士が集い交流を深める  20年2月予定
 「商業施設視察」鳥栖市のプレミアムアウトレット      20年2月予定
 「CSトレーニング」販売経験が浅い販売員を対象に実施    年に数回予定
 「販売士検定試験合格者交流会」              20年3月予定
 2:記事について
  ○発想の転換
 週間売上げが12万まで落ち込んだ田舎町の電気屋さんが、発想の転換により年商6,000万になった実例の紹介記事。
 発想の転換の方法として   (1)平面指向から立体指向に見る目を変える。
  (2)自分の目標とする人物になったつもりで考える。○○さんだったらどうするだろうかと。
  (3)現状をゼロとして考えてみる。
  (4)時間的なスピードで変えてみる。一週間でやっていたことを5日でやるには?あるいは5のスパンで考えていたことを10のスパンで考えてみる。
 ※私達は(売る)のが仕事である。大切なのは(あきらめない)こと。
  ○接客の重要性
 偽装事件、賞味期限改竄事件等に関連して、企業の体質、経営姿勢に言及し、従業員一人一人の接客の重要性について説明。
  ○お店の販売力とお客様の購買意欲の記事
 3:販売士二級検定試験対策講座の案内
 4:長崎販売士協会のホームページの案内
   http://nhankyo.727.net/
 5:長崎販売士協会入会のご案内

<日本販売士協会>
 1:平成19・20年度役員名簿
会 長:東京販売士協会名誉会長  小柳 重隆
副会長:日本商工会議所常務理事  篠原 徹
    全国商工会連合会専務理事 寺田 範雄
    大阪販売士協会理事長   土居 年樹
    長野販売士協会会長    綿貫 浩弌
専務理事:日本商工会議所事業部長  小野 明
理 事: 函館販売士協会会長    三浦 克博
     旭川販売士協会会長    高橋 國臣
     盛岡販売士協会会長    菊池 政四
     仙台販売士協会副会長   湯目 一潔
     山形販売士協会会長    後藤 興
     富山販売士協会会長    平井 隆
     金沢販売士協会会長    本田 陽三
     千葉商工会議所販売士協会会長 川島 一男
     東京販売士協会会長    大島 博
     神奈川販売士協会会長   谷口 雅春
     浜松販売士協会会長    小杉 俊雄
     福井販売士協会会長    山口 昌之
     福岡販売士協会会長    栗川 久明
     長崎販売士協会会長    富永 広道
     新潟商工会議所専務理事  南  英雄
     名古屋商工会議所専務理事 工藤 尚武
     東京都商工会連合会専務理事 坂爪 正二
     兵庫県商工会連合会専務理事 澤田 功
     日本商工会議所事業部検定担当部長 立松 裕之
     全国商工会連合会常務理事 桑原 元
     全国中小企業団体中央会専務理事 成宮 治
     日本専門店会連盟専務理事 清水 浩
     日本商店連盟専務理事   国井 孝
     全国商店街振興組合連合会専務理事 高橋 一隆
     社団法人公開経営指導協会理事長 永井 敬一
監 事:愛知県商工会連合会専務理事 米田 里司
    所沢販売士協会会長    中山 慶治
    公認会計士        尾崎 正名
 2:販売士制度表彰制度の創設について
   表彰規則・実施要領・表彰委員会の設置
 3:流通・接客セミナー開催助成要領について
 4:広報委員会委員の選定
 5:論文審査委員会委員選定
 6:販売士要請講習会等講師登録制度の要綱について
 7:平成18年度活動報告
 8:平成19年度収支予算
 9:平成19年度事業活動計画
 10:日本販売士協会第28回理事会開催

<販売士11月号>
 各地便りのコーナーで、福岡販売士協会の活動が紹介されています。内容は、夏季研修会について、春の流通施設見学会について、納涼ビア・パーティの紹介記事等です。その他、仙台販売士協会の移動スタディー研修会の記事。浜松販売士協会の地元企業2社の訪問記事。福井販売士協会の勉強会報告。ちとせ販売士会の夏の交流会、講師陣自主研修会等について。長野販売士協会は創立30周年記念講演会について。大阪販売士協会はグンゼタウン・つかしん視察記、販売士塾開催報告記事などが紹介されていました。
 各地の販売士教会は頑張って活動をしています。福岡販売士協会も平成20年は活発に活動したいものですね !

<九州販売士交流会のご案内>
 平成20年2月16日17日の二日間に渡って、長崎県島原市商工会議所において九州販売士交流会が開催されます。この会報が発行される時点で福岡販売士協会からの参加予定者は16名です。マイクロバスをレンタルして参加する予定になっていますが、希望される方は事務局までご連絡下さい。

<次回17号について>
 会報17号は、九州販売士交流会、新春懇談会特集として3月初旬発行を予定しています。会員の皆さんの投稿をよろしくお願い致します。