もくじ
副会長 石原義曠
◆第一部 講演会
また、日々の講座ではどのような内容で販売士制度の周知と普及に努められているのかと言うことと併せ、具体的に3級取得への授業参加意欲を高めるための授業内容や進め方について触れながら、その時々の苦労話と対応Know−Howなどを細やかに紹介していただきました。 紙面の都合もあり、逐一そのお話の詳細をお知らせすることはできませんがアルバイト体験等を除けば殆ど実社会での仕事経験がない学生を対象にした講義が如何に細々とした配慮やテキストにはない関連知識などの提供も必要とし、一律的にはいかないかの状況がよくわかりました。 特に、実例として挙った「職業訓練協会」「短大」「障害者職業能力開発校」におけるケースでは、社会人が自ら自己啓発的に受講したり、職場での必須条件として資格取得を目指して受講するのとは違い、極端な表現をすれば学生本人たちにとっては“やらされている意識”が強く、義務付けられ押し付けられた講座という意識で参加している者に、どのように興味を持たせ動機づけて、楽しく成果が挙るような授業にするかの努力と工夫をされているかが、お話の中から良く伝わってもきました。 窪田講師の誠実なお人柄と同時に販売士養成講師として日々熱心にその役割に徹し、活躍しておられる姿に拍手をおくり敬意の念をもって聴かせていただきました。 ◆第二部 懇親会
ここからタクシーに分乗し目的の工場に移動致しましたが、自家用車で参加された方はナビゲーションを頼りに移動する事となりました。これが大変な事態となりました。(株)ランテックの連絡先で伺った電話番号が、工場移転前の事務所の番号であり、同じ久山町にある別の工場に案内するというハプニングとなってしまいました。この事で学んだ事は、電話番号の登録先を確認し、案内文を作成すると言う事です。便利な道具も間違った情報を入力しては役に立たないと言う教訓でした。 さて、ランテック福岡支店に到着して皆さんが同様に驚いたのは、玄関を一歩入った時に、従業員の皆様が、いっせいに立ち上り大きな声で「いらしゃいませ」と迎え入れてくれた事です。この度の工場見学会に参加され、感想文を頂いた方の殆どが、同様の内容で驚かれて、行き届いた社員教育に感激されておりました。
次にランテックの倉庫から約3分の場所にある商業施設「トリアス」に移動し、同施設の中にある、会員制倉庫型店舗「コストコホールセール」を見学致しました。初めて訪れる方もおり、品物の豊富さや販売単位の多さに驚かれた様子でした。見学会は約30分で終了しましたが、アメリカ育ちの小売業界の一部を勉強致しました。アメリカではあまり見られない卸売りと会員制による顧客の囲い込みとを実現したビジネスモデルであるが、日本とはちょっと違う世界を見学した時間でした。 その後、トリアス内のレストランにて反省会を行いましたが、飲食業界の人手不足を体験する事になりました。少ない人数で店舗を運営する店であり、イライラしながら、帰りのバスの時間を気にしながら今日の反省会を行いました。今回の教訓は、参加人数が決ったら事前に調査を行い予約をしなければならないと言う事です。 以上が春の工場見学の報告でした。次回は10月4日(木)に「トヨタ工場見学会」を企画しております。工場見学の都合上、平日となりますが、現役の方は事前調整を行い参加下さいますようご案内申し上げます。
<物流センターと冷凍倉庫> 最初に訪問したランテック社で、まず印象深かったことは旧来の物流倉庫というイメージとは違った敷地14,000坪、建坪6,240坪の広大で、しかも明るくモダンな真新しい施設の姿に目を奪われましたが、それ以上に心を惹かれ感心させられたことは私たち一行が事務所に入るや否や、なんと20〜30人もおられた社員の人達が一斉に仕事の手を休めて立ち上がり「いらっしゃいませ」と気持ちよく出迎えてくれたことでした。 更に、見学に先立っての同支店のプレゼンテーションをはじめ現場案内は、総員350名におよぶ組織を抱えながらも、支店長(加藤田秀之様)自らが直接担当していただく中で、関係幹部お二人も常時同席・同行下さっての案内と持て成しに加え、訪れた現場のあちこちで従業員の誰もが笑顔で挨拶をしていただいたのには感動しましたし、この会社の職場風土の素晴らしさ、清々しさに心をうたれました。同社では「人の品質が輸送品質」というスローガンを掲げられていることをお話の中から知りましたが、商品を届ける“人”の品質から“物流”を考えていこうというトップの意思が着実に組織内で実践されていることの現われだと感じました。
<コストコホールセール> 次に見学させて頂いた、この店舗施設(Costco whole sale)は、これもまた私にとっては全く初めて目にした物珍しい流通施設でした。 郊外型ショッピングセンターである“トリアス久山(TORIUS=三位一体という意味の造語であることを、この見学会を企画してくれた当協会の岡野理事から教示いただいた)”内に展開する「米国流の会員制卸売店がこれなんですよ」と言うことを事前紹介で知らされた上で、カメラでの店内撮影は一切禁止であるとかリュック等は予め入店時に受付に預けてからと言うことなどの注意事項を厳守しながら、今回参加された20名の方たちと一緒に特別に入店させていただき、広い空間の店舗内を見て回りました。 何事も初めてというのは興味深い思いが充ちてくるもので、食料品から日常生活品、高級ブランド品に至るまで様々な商品が倉庫風の店舗棚に所狭しと豊富に山積みされている様は、当初異様とも感じましたが見て回るうちに新鮮さも感じながら自分なりの目で、客の行動や商品に関心をもって見学をさせて貰いました。 聞くところによれば、このような店舗展開はまだ日本国内には5箇所程度しかないとのことでしたが、この日訪れていた客は結構買い慣れたふうで、見かけにはスーパーでの買い物姿と何ら変わりないようでありましたが、ある利用客からの話では会員は全て卸値での買い物ができるのと引き換えに店側に年会費として4,000~5,000円程を支払って運営されていることや、店側も仕入れに関しては一切返品なしの取引条件で安価に買取りをする努力をしていることとか、客が買った商品については逆に返品も可能であるというようなことを耳にしました。改めて流通業界の有り様やその形態が、時と共に早いスピードでどんどんと様変わりしていることを身をもって知らされました。 いづれにしても、今回の見学会ではふたつの訪問先とも、私にとって初めて目にした施設見学でありましたが、固定概念に縛られず常に柔軟な頭脳と新しい発想を持ち続けることが如何に大切であるかを改めて教えられた気がいたしました。更に、見学後にトリアス内で行われた夕食懇談会でも、歓談のなかで皆さんから私の経験し得なかった業界の話や気づかなかった見学会の感想なども伺うことができ、本当に楽しい雰囲気のなかでの有意義な見学会でした。
事務局長 泉 亨
ほんの少し歩いただけで汗が噴き出してくる、そんな真夏日の8月25日に恒例となりました納涼ビア・パーティが、アサヒビール園・博多において行われました。福岡販売士協会主催のパーティと云うよりも、大家族のビア・パーティと云った感じの、参加者9名の会でした。4回目の今回は工場見学は止めて、ビア・パーティのみを楽しもう ! 話はすんなりとまとまって参加者全員、家族的な雰囲気の中で懇親会を楽しむことになりました。
会報第15号を迎えて
会報第2号からはカラーペーパー使用のご提案があり、いくつかの色を思考錯誤して現在のピンク色に落ち着きました。 広報委員会を編成し、毎回、テーマ設定、原稿収集、編集日程等検討して会報作りを行ってきました。当初は原稿収集を私が担当しましたが、普通の呼びかけでは簡単には集まらず、個別に原稿をお願いすることが多くありました。 全国の各販売士協会に会報をお送りし、ご批判を仰ぐこともいたしました。その縁で現在もお互いに会報の交換をしているところがいくつかあります。 また、入会のお誘いのために、1級販売士検定試験日に福岡商工会議所に行き、受験者に会報を配布しました。こちらは直接の効果は出てきませんでした。 会報第3号には当協会の賛助会員の無料広告を掲載し、その会報を配布して賛助会員募集も試みました。 当協会の会報掲載原稿が、日本販売士協会の会報「販売士」に転載されるケースも多くでてきており、そういう意味では全国にPRする機会につながると思います。 また、会報の記事は毎回ホームページにも掲載しており、意外なところに引用・掲載されており、その波及効果に驚くこともあります。 これまでに、会報の原稿提供のもっとも多いのは、全体行事についていつも記事を書いていただいている石原副会長です。また、原稿を毎回いただいている常連は大原顧問と泉事務局長です。感謝しております。 会報はページ数も多くなり、内容も充実してきており、これまでに会員の約半数の方から原稿をいただきました。ぜひ会員全員の皆さんに会報にご登場いただきたいと思っています。 昨年から、主に原稿収集を泉事務局長、編集を廣瀬広報副委員長、印刷・発送を私が担当しています。会報作りにみなさんのご参加をお待ちしています。
2 真 戦時中、物不足で公定価格による配給制度があり、終戦になって闇商人横行の中、公定価格を遵守した百貨店や、暖簾を守り抜いた老舗があったことを思い起こします。 真は、真相 真理 原理・原則・法則を云い、誠の道に徹すると「正直者の頭に神宿る」 御製 めにみえぬ かみのこころに かようこそ ひとのこころのまことなりけれ 商いは、真心の発露で取り組み、決して飽きないこと。約束を遵守して信用を積み重ね、情熱で心血を注いでいると必要な情報が入り、目指す道は必ず開けて来ます。 研修会で「あなたは自分を知っていますか」「自分は誰だろう」と自問自答し、自分のルーツ「先祖」を探ると、生命を授かり、両親の慈愛で育てられてきたから、ご恩を忘れず、両親に朝夕の挨拶を丁寧にしてくるよう様に、宿題を出したことがありました。翌日、研修生の1人は態度が変わり周囲が驚かされたことがありました。「本を忘れず、末を乱さず」何事も本になる本質を捉えることです。 3 善 善には、善人 隠徳 善の循環 三方善しがあります。 まわりを喜ばす人になることです。「損得よりも善悪を先にせよ」と商人訓にあります。「五十歳になったら顔に責任をもて」とあるように、善行を積み重ねていると人相は円満な美顔に変わります。健康は心の持ち方次第で若返りできます。良い気を日頃から取り入れたいものです。深呼吸で体中の邪気を吐き出し、合掌して心を静めるとストレスが取り除かれ、豊かな心にする配慮が大切です。何事にも感謝を伝えると、そのものに相通じ(共感・協働)等の循環が始まります。 4 美 美徳 審美眼 美顔 謙虚(奥ゆかしい) 世の中で美しいものは皆から崇められます。 美しくなるには、心の浄化で精神を高めると表情が美しくなり若返ります。美的行動は、自信を持って一生懸命に与えられた仕事をしていると顕れてきます。絵画の鑑賞で審美眼を育てると調和の大切さが解ってきます。タッタ1人のお客様でも顧客満足には全力投球しよう。 5 まとめ 念ずれば花開く 何事も窮すれば変じ変ずれば通じます。故に自分が変われば相手も代わります。人間学には、鏡の法則、笑顔の法則、原因と結果の法則があり、先ず、自分本位の考え方を捨てると相手と通じ合えます。思い込みは自信過剰で傲慢。謙虚で素直は自然に還ることになり、誠実、正直であれば神宿り、万有の自在力を得るといわれております。 皆様には、中心(魂・真心・求心力)・本質(心棒・善)・最重点(美・遠心力)を練磨され、毎日が円満にコトが運ばれる幸運に恵まれることを願っております。ヤレバデキルンです。
翻って、今の私たちを思うと、生まれたその時からあまりにも過保護に育て過ぎてしまったり、自由放任の気ままな育て方であったりしているために、子供達がちょっとした困難なことに遭遇したり自分の思うようにならなかったりすると、直ぐにキレたりギブアップしてしまうような“ひ弱な人間”をつくり上げてしまっているような気がしてなりません。 また、このことは企業社会の中にあっても同じような傾向にあるようで、かってのように上司が部下をしっかり指導し、先輩が後輩の面倒をよく看ながら“鍛え育てるという風土”が失われつつあることから、今や人間関係も希薄化していると言われます。 そんな経営体質のスリム化などの諸環境も影響してか、今では社員たちに必要な下積み生活なども経験させないままに早い時期から仕事を任せ切りにしまっているために、結果として何か困難な状況や厄介な問題にぶつかったりすると簡単に挫折してしまうような社員が多くなってきているように思います。 私たちの現在の状態と言うものは、「遺伝・環境・教育」の三つの条件によってつくられているとも言われます。従って、子供や孫たち後進の者たちが、もって生まれたそれぞれの個性や才能が十分に引き出され、活かし切れるような環境条件や道を拓いてやることが、今、自分たち親や企業あるいは一般社会の各指導者に果せられている緊急な課題であり責任ではないでしょうか。
一級販売士
去る、春もたけなわの頃、庭の草取りをしていたところ雨が降り出しので、玄関まで戻りふと門扉の上に突き出している榎の枝を見ると、枝の下側にお汁茶碗程のコブのような物が目に付いた。サルの腰掛(茸の一種)でも出来たのかと思い、近づいて見るとそれは蠢いており、蜂の集団だったのです。図鑑で確かめると間違いなく蜜蜂であった。巣分かれの時期なのでその途中で雨に合い、群れの一部が雨宿りをしているのだろうと思い、そのままにしていた。野生の蜜蜂が巣をつくるのは戸袋の内側や、木の室等雨風が当たらぬ場所と聞いていたので、まさか木の枝の下側に巣を作ることは無いと思っていたからである。しかし、蜂の塊は移動せず2、3日も立つと倍位の大きさになり、門扉の付近には蜂の死骸や蜂の巣の破片みたいなものが落ちていた。戸田 俊彦 これは巣分かれの途中停車ではないと気付き、区役所の生活環境課に電話をした。場所が門扉の真上で下を通る時に頭をぶっつける可能性が高く、本来なら蜜蜂との共生は望むところではあったが、本格的な巣になった場合の危険性を考慮すると共生は断念せざるを得なかった。生活環境課の返事は担当がまだ出勤していないので分からないとのこと。10時に出勤するらしいので11時に生活環境課を訪ねた。10年ほど前に知人の家の戸袋に蜂が巣をつくった時には区役所に頼んで撤去してもらったと云う話を聞いていたからである。 しかし、担当者の言い分は昔は自分のところでもやっていたが、今はやっていないので、福岡県ベストコントロール協会に連絡してくれと云うものだった。そこで福岡県ベストコントロール協会に電話すると、ベストコントロール協同組合に電話してくれと云われた。ベストコントロール協同組合では、自分の所は実務を行っている分けではないので、組合に加入している共立サニタリーに電話してくれと云われた。仕方なく共立サニタリーに電話を入れると、3万5千円の実費が掛かると云う。あまりのことに驚き、いつも庭木の消毒を頼んでいる園芸業者に相談してみた。最近同じような相談を受けるので道具の準備をしていると云う答えが返ってきた。その日の夜の内に4千円の手数料で撤去してもらったが、その時に話には聞いていたが現物をみたことが無かった、女王蜂の死骸を初めて見た。 今回の経験を経て、これが民に出来ることは民へ! 官から民へ!の実態かと、なぜかひどく感動してしまった。翌朝、あの50代半ばのように見えた担当者も、そのうち協会か、共同組合に天下りするのだろうなと思いながら蜂の死骸を片付けた。
「大勢の方々にお集まりいただきました。今回市民の方は初めてとなりますので、流れをご説明させていただきます。ただいま、中心市街地活性化基本計画の中でTMO構想の策定に向けて検討中です。今までは、TMO構想策定委員会の開催や商店街別ワークショップを開催して参りました。ご承知の通り、商店街は【宮田・京町商店街】【にしてつ通り・本町商店街】【二日市中央通り商店街】【栄町商店街】の4商店街を中心に活動しております。今回からは市民の方々に参加していただき市民参加ワークショップを開催したいと思います。」 「ふむふむ、そういうことか」と心の中でなんとなく流れを理解した。 「現在、商業等の活性化に関わるプロジェクトは12プロジェクトあります。この中から重点プロジェクトに絞込み、さらに深堀していきたいと思います。」という言葉とともに6のプロジェクトに絞り込まれた。 (1)二日「市」復活プロジェクト、(2)拠点を活かした商店街づくりプロジェクト、(3)まち中魅力いっぱいプロジェクト、(4)なつかしいふれあい商店街プロジェクト、(5)二日市シンボルストリートプロジェクト、(6)活性化総がかり作戦プロジェクトである。 プロジェクト単位で内容を構想し、模造紙にまとめ、最後に関係者の前で発表すると言うものでした。その後の3〜4回のプロジェクト会合の中で何とか形にして発表いたしました。地元の方々と知り合い、地元貢献に一歩踏み出したという実感を得たひとときでした。 私は地元商店街のことは何も知らない。どこで何を売っているか、どの程度の賑わいなのか、どのような人が商店街を利用しているのかということさえ知らないのである。私は今まで郊外の大型流通施設は利用しても、地元商店街は全くと言って利用していないのである。そういう反省点を踏まえて町をテクテク歩いてみようと思った。そう思っているうちに九州を半年離れることとなった。「地元貢献にまた復帰できるかなあ〜」と思いながら・・・ そうこうするうちに半年が過ぎて九州に戻ってきた。商店街のことが気になり昨年一緒のプロジェクトで活動していたS田さんに電話を入れてみた。 「いいタイミングで電話をいただきましたねえ〜。あれからとりあえず出発しようと言うことになりましてね。商店街の中に無料休憩所兼事務所を開いたのですよ。今そこで留守番をしています。今から来られませんか」と言うことだったので早速訪ねて行った。 S田さんに会うと「今商店街と市民有志で筑紫野市中心市街地活性化委員会を立ち上げて活動を開始しています。みなさんから集めた会費で運営しています。中村さんも入ってください」と言われ入会することにしました。その後、会員の方々を紹介していただいたり、1週間に半日だけ無料休憩所の運営に携わったり、毎週19時から開催される「商業者と市民の合同会議」に参加したりするようになりました。 まずは7月に初のイベント「七夕まつり」を実施することになりました。4つの商店街に130本の手作り七夕のササを飾りました。地元商店街はもとより、保育園の園児まで楽しく飾りつけに協力していただきました。初めての試みだったので試行錯誤の日々でしたが、「やってよかった」と関係者一同で言い合ったものです。 次に考えたのが情報発信の方法です。(1)チラシを配り地元住民の方々に活動を知ってもらう、(2)メディアに投稿する、(3)ホームページを作成し情報発信するなどです。 この活動は商業者と市民だけでなく、地元商工会や地元市役所の方々も一生懸命活動しておられます。大学などの学識経験者の協力もあります。その一体感が益々この活動を、より効果的な方向へ成長発展をもたらすと感じています。そして私は、その中に「地元貢献でがんばる自分を発見すること」を命題としています。 最後になりますが、ホームページを自作いたしました。「ほっと二日市」で検索すると開きます。ぜひ、一度閲覧をしてください。そして、アドバイスなどをいただければ幸いです。
二級販売士 森山 正夫 今年3月末を以て38年間勤務した地元の信用金庫を定年で退職しました。早いもので9月末で、半年が過ぎようとしています。いわゆる団塊の世代のはしりの1人として前後数年間大量の退職者が出るわけで、各人各様の定年後の人生設計があります。販売士の会員の方からご紹介頂いた本で、題名もズバリ「定年後」著者加藤 仁 岩波新書によると、実に様々な定年後が紹介されています。在職時の経験を生かした第2の人生、在宅ボランティア、農業という選択、求職移住(異国も含めた)、趣味を極める、スキルを生かした起業の理念等実に多様な生きざまが著者の丹念な取材に基づき詳細に描かれています。こういう生き方もあるのかなと、大いに参考になりこの本を紹介してくれた方に感謝しております。どういう形にせよ社会との接点を失わず、再構築できたらいいと思いました。 翻って自分自身を顧みますと、退職した当初はやっと退職だ,明日からは会社へ行かなくていいのだ、しばらくは失業保険で食いつないでいこう等極めて楽観的に考えていました。当然時間には余裕があるのでパソコン教室などに通い、再就職支援セミナーも受講しました。性格からもずっと家に閉じこもっているのは苦手でしたので、私にとっては貴重な数ヶ月でした。そうこうするうちに、再就職の件も真剣に考えようという気になり、ハローワークに足を運び体力からみて無理のない求人を見つけ応募致しました。2,3社ほど面接を経験しそのうち1社より内定を頂き、20日過ぎに再就職することになりました。体力の許す限り働いてみる予定です。他人の参考になるような経験ではありませんが、自分自身の健康のため、働いてみるのもいい経験になると思い、決断しました。
広報副委員長 一級販売士 中野 法子 食の安全が叫ばれ始めて久しい昨今、いまだに企業側の体質が変わらず、嘆かわしい事件が続々と報道されている。絶対的な売り手の市場論理で、利益優先の経営がもたらす影響を必要悪としているのか、日本は消費者保護の意識はまだまだ低いと思わざるを得ない。“CSR(Corporate Social Responsibility)=「企業の社会的責任」”という言葉を聞かれたこともあるかと思うが、企業が社会において果たすべき役割について、「食」を生業とする企業はもっと深く考えるべきではないだろうか。最近、身近に起こったことを例として紹介しよう。 8月某日のことである。仕事の帰りに某スーパーに寄り、惣菜コーナーにて1コ50円の「コロッケ」と「チーズ入りチキンカツを購入して帰った。鶏好きの私は、このチキンカツを食するのを楽しみにしていたが、いざ夕食になり、一口食べて「何かおかしい」と思った。よく見てみると、チキンの肉の部分が、ナマのままだったのである。がっかりすると共に、怒りもこみ上げてきた。大好きな鶏が食べられなくなった悲しみと、食品販売で「してはいけないこと」のトップクラスに入る失態に対しての怒り、である。しかも、この時期、食中毒の危険性だって高いのだ。 夕食後、かじりかけのチキンカツ(半生)をもって、某スーパーに申告に行った。24時間営業のスーパーなので対応したのがナイトマネージャーなる人物であったが、「通り一遍の謝罪」と、「半生の商品を販売してしまった事実の証明」として、一筆書かせて帰ってきた。万が一食中毒になっていても、責任の所在を追及できるように、あくまでも用心の為である。 翌日。午前中に食品マネージャーなる人物から、謝罪及び事情説明の電話が入った。状況としては、スーパーに下請けとして入っている業者が、惣菜を納入する時点で確認をしておらず、また惣菜の種類が多岐にわたるため、フライヤーによる調理時間を誤ったと予想される、とのことだった。下請け業者が悪いかどうかはともかく、販売店としての責任はどう果たすのかということで、うちからの要望として「店舗内への謝罪の張り出し」と「保健所への届出」をするように申告し、電話を切った。午後になり、同マネージャーから再度電話が入り、「店舗内への謝罪の張り出し」と「保健所への届出」が終ったとの報告があった。確認の為スーパーに寄ってみると、謝罪告知は確かにあった。ただ、想像していたよりはるかに小さく、また見えにくいところに貼ってあり、効果のほどは疑わしかった。また、店全体として、通常あるべき、「クレーム後の緊張感」が店員には感じられず、多少の落胆を感じつつ帰宅した。帰宅後、同店の店長より謝罪の電話があり、すぐにでも「伺って」謝罪したいとの申し出があったが、「来て謝ることよりもまだ先にすべきことがあるでしょう。打つべき手をきちんと打って、二度とこのようなことがないようにしてください。」と、訪問を拒否した。 スーパーの対応としては、決して悪いとは言わないが、食品販売の責任上、万が一を予測した対応としては「遅い」といわざるを得ない。当日の対応として、不良品を撤去するだけで終ってよかったのか、責任者への報告は速やかに行われたのか、など問題点は多い。これまでは地域密着型のスーパーとして、それなりに需要を満たしてこれた部分もあるかと思うが、今後は大手チェーンへ吸収合併されるとのこと、大手の名前を名乗れるだけの社会的責任を果たしていけるのかどうか、不安の残る対応であった。 さらに数日して、また電話があり「どうしてもお会いして謝罪を」ということになったので、勤務中の私に代わり、うちの夫がスーパーまで出向いていった。その後のスーパーの努力姿勢を観察する目的もあったが、相手のテリトリーに入る方が本音を聞きだしやすいこともあったので。 以下はスーパー側に苦言したことで、改善努力項目になったことである。 1:下請けであるところの惣菜業者の教育指導・作業のマニュアル化を徹底する。 2:スーパーチェーン全店において事例学習をし、意識改革を図る。 3:再発防止のため、定期的なチェックを行う。 4:これまでの従業員の怠惰な姿勢を改善し、事故を起こさない店作りを徹底する。 スーパー側としては、50円のチキンカツで信用失墜するところを、真摯に捉えて改善に努力するか否かで企業の将来が変わることを、深く認識したに違いない。ちなみに「非常に気分を害した奥様(私)」への謝罪として、花○の洗剤セット(3000円相当)を贈呈された。害された気分は元通りにはならないが、誠意は受け取ることにした。 ただの「クレーマー」として扱われるのではないかとの不安もあったが、店長が自発的に改善努力項目を挙げ、徹底して社員教育すると確約してくれたことが、何よりだった。所詮企業を動かすのは人であるし、社員・従業員は企業の財(たから)であるわけで、教育が大切なのは学校に限らないのだから。
事務局長 食生活アドバイザー 泉 亨 安全と水はただで買える。そんな言葉が常識として通用していた時代もありました。現状はどうでしょう? 相次ぐ企業の不祥事が世の中を変えてしまいつつあります。振り返ってみると、ニチロの問題、雪印グループの問題等がまず頭に浮かびます。返品物のパック牛乳を原料タンクに投入したり、停電で稼動が止まっていたタンクの中で黄色ブドウ球菌が増殖し、毒素であるエンテロトキシンが産生していた牛乳を販売して、大量の食中毒患者を発生させてしまったと云った事件も起こりました。2002年には雪印食品が牛肉の偽装事件を起こしましたね。その結果として、雪印食品は廃業を余儀なくされ、アイスクリーム事業はロッテスノーに移管されました。 一級販売士のテキストには、小売業の社会的責任は「売るべき商品」と「売ってはならない商品」とを区別することから始まると書かれています。これは単なる理想論であって良い筈のものではありません。しかし、現実はどうでしょう? 「売ってはならない商品」が堂々と販売されています。消費期限や賞味期限の誤表記等も日常茶飯事的感覚で行われている現状を私は知っています。 最近、人に合うとよく聞かれる質問に、ミート・ホープ社の問題は特有のものですか?それとも業界ではそんなに珍しいことではないのでしょうか? ある程度業界のことを知っているがために答えに窮します。ミート・ホープ社の不祥事は皆さんの記憶に新しいことと思いますが、もう一度振り返ってみると、牛肉100%のコロッケの中に豚肉その他の物が意図的に混入されていた。返品されたコロッケの消費期限を偽って再販売していた。屋上で溜めた雨水を消毒もしないまま、冷凍肉の解凍用として使用していた等、食品販売業者としてあるまじき行為が組織的に行われていたと云う事です。 話は変わりますが、期限切れ食品の販売も最近問題化されています。不二家製菓、石屋製菓のような消費期限、賞味期限の改竄は何故起こるのでしょう? 一つには製造日の表示をしなくても良いようになったことが上げられます。製造日が無いため、出荷日から消費期限あるいは賞味期限を設定しても、内部告発でもないかぎり消費者には分かりませんよね。例えば、10,000個の商品を製造し、当日3,000個を、消費期限5日で出荷しました。5日後に4,000個をやはり5日の消費期限で出荷しました。残り3,000個をさらに5日後に消費期限5日で出荷しました。同日に製造された商品の消費期限の違いに気が付きますか? 気が付かれた方はその違いをどう思われますか? 消費期限についてもう一つ例を上げてみます。例えばお肉を切ってトレーに盛り付けただけでは商品とは云えません。フイルムを掛けて、つまりパックを済ませると商品となり、その日その時が製造日「加工日」とみなされます。従って値付け処理はその日の内に行う必要があります。ところが、値付けをしないまま保管し、翌日に値付けを行って陳列ケースに並べると云ったことが現実には行われています。消費期限を1日誤魔化していることは説明するまでもないことです。また、パックを済ませないで0時まで冷蔵庫で保管し、0時を回って値付けを行っている所もあります。これってどうなんでしょう? 法的には違反とは云えませんが。現実的には消費期限の1日先送りと云われても仕方がないことだと思いますよね。食品業界の色々な分野で色々とおかしなことが行われています。その中でマスコミに取り上げられるのは氷山の一角だと云えます。何故このようなことが行われるのか?次のようにいくつかその原因が考えられます。 1:利益最優先主義 2:生産性優先主義 3:消費者不在(消費者に対する目配り、気配りの欠如) 4:経営者の勉強不足(法的知識、商品知識等の) 5:危機管理能力の欠如 6:理念無きコスト削減(削減のための削減になり、チェック能力が欠如) 外圧による製造日不表示の問題も何らかの影響を感じられますが、食品会社の経営者のモラルが欠如していることが、最も大きな問題点と私は考えています。 他社が不祥事を起こし、テレビカメラの前で二度とこのようなことが起こらないよう改善に努めますと頭を下げているのを見て、他人事と自社の反省をしない経営者は、明日は我が身と思うことですね。 順不同となりますが、ここで皆さんに食品の消費期限と賞味期限の違いについて若干の説明をしたいと思います(既にご存知の方は私の考えに間違いがないかどうか確認をお願いします) 何れの場合においても、期限の設定においては、食品の特性や原材料の衛生状態あるいは、製造加工時の衛生管理状態、製造加工後の保存状態等を勘案した上で。科学的に、そして合理的な根拠をもって設定されることになっています。しかし、現実には業界の慣例だから、あるいは他社が設定していることだから、自社だけ違うのは消費者から不信を買うことになると云った、イージーな感覚での期限設定がまかり通っています。約40年に及ぶ私の実体験からそう云わざるを得ません。 ところで、消費期限と云うのは比較的劣化速度が早い食品(5日あるいは一週間以内)に使われる言葉です。賞味期限の場合は劣化速度が鈍い食品(一ヶ月、三ヶ月あるいは半年等長期間)に使われる言葉です。どちらの場合も期限を過ぎれば直ちに可食不可となると云うものではなく、一つの目安として設定されたものです。原料段階での初発菌数あるいは製造加工時の衛生管理状態の良し悪しによって、本当の安全性(消費期限・賞味期限)は決定されるべきものです。
広報副委員長 消費生活アドバイザー 廣瀬 紀子 「何色にだってできますよ!」ドラム缶のようなものの中で春雨を洗いながら、楽しそうに話す中国人女性。 「白いものは買わないわ。漂白してあるかもしれないもの」とインタビューに答える買い物客。 先日放映された中国食品事情特集での春雨に関するシーンです。 私達はいったい何を信じたら良いのでしょう。段ボール肉まんに引き続きのショックでした。中国産の食材を買わないという選択も私達にはあります。しかしながら、輸入依存率の高いわが国で、しかもアジアの料理大好きな私にとって大問題です(かなり偏った訴えですが)。 では・・買い手である私達ができることは何でしょうか。食材にもっと興味をもって接することだと私は思います。春雨とは何からできていて、本来の色は何色なのか。ナスは?人参は・・・こんなに鮮やかな色なのか。そしてきゅうりは真っ直ぐなものなのか。虫食いのあとが全く無いキャベツはどうなのか。この食材の香りは?売り場での情報にも興味を持ってみませんか。原材料(遺伝子組み換え情報、添加物)や原産地情報(生産者情報)。安全面もそうですが、同じ地域での食材は相性も良く美味しいものです。安全面で私が今チェックしているひとつに有機食品があります。有機又はオーガニックと表示するにはJAS法によってルールがあるからです。 ◆有機農産物とは 1.種播きまたは植え付け前2年以上禁止されている農薬や化学肥料を使用しない田畑で生産。 2.遺伝子組換え由来の種苗は使用しない。 3.原則として農薬・化学肥料を使用しない栽培。 又、ブランド食品にも興味があります。いちご「あまおう」、地鶏「天草大王」などなど。これについては売り手側も戦略的な面もあるようですが、地域の活性化をかけてのプライドも感じられ買い手としてはやはり興味ありです。 さて、売り手の事情はどうなのでしょうか。中国産食材に対する不信で、国内産の食材需要が伸びていますが、競合店との差異化につなげる為にいろいろと策を講じているようです。顔写真入りでの生産者情報POPを増やしたり、ブランド食品の品質情報を掲示したり・・・農家とタイアップするところもあるようです。そして最近増えて嬉しい産直のお店。最近訪れた産直のお店で、生産者の方が、残ったものは全部持ち帰りチェックし直して明日売り場に出すと話していました。時流に乗っただけでなく、商品に対する真摯な思いが感じられて嬉しい限りです。 かと思うと、消費者への裏切りとなった事件もありましたよね。賞味期限の改ざん、加工食品食材の偽装。コンプライアンスよろしくお願いします。(食生活アドバイザー試験問題には続けてコンプライアンスが出題されています。何だかため息が出ますね) 最後の締めは、三方よし−売りてよし、買いてよし、世間よし(中村治兵衛の家訓より)・・頼みたいものです。
事務局長 食生活アドバイザー 泉 亨 春の流通施設見学会が、去る6月2日、株式会社ランテックにおいて実施されました。竣工されたばかりの最新式冷凍施設等を見学し、物流サイドにおける食の安全への取り組みあるいは、食の物流に関してのトレンド等、通常では体験出来ない勉強をすることが出来ました。石原副会長や岡野企画副委員長から感想文が寄せられ、会報15号(本号)に掲載されています。 また、7月21日には、会員の窪田靖生さんを講師として迎え、夏季研修会を実施いたしました。販売士制度の現状と3級販売士養成講座の講師としての実感と云った、身近な問題をテーマとして大変貴重なお話を聞かせて頂きました。 8月25日には恒例となりました、納涼ビア・パーティーが福岡市竹下のアサヒビール園・博多において実施されました。日頃のコミュニケーション不足の解消にも役立ったのかな〜と思いつつ、あまり会話を交わす機会が少ない会員の方々が、もっと多く集まって欲しいとの実感を覚えながら散会致しました。 会報15号が会員の皆様のお手許に届く頃には、秋季流通施設見学会が開催されることになっています。トヨタ方式あるいは看板方式と云われ、自動車業界だけでなく、他分野の多くの企業がその方式を学んでいますところの、トヨタ自動車・宮田工場の見学が実施されます。詳報に関しましては、名文家の石原副会長が多分担当して、不参加の皆様へご報告することになると思います。 今年の秋に開催予定でした九州販売士交流会は、会場側の島原販売士協会から、2月まで開催を先送りしたいとの連絡があり、2008年2月に実施されることになりました。より多くの未知の方々との遭遇は楽しいものです。勉強にもなります。会員の皆様も出来るだけ参加されませんか? 開催日が近づきましたら、事務局から改めてご案内申し上げます。 協会行事のロングラン的なものとしましては、一級販売士受験研究会が、道津研修委員長、中村研修副委員長の新体制のもとに8月度から実施されています。受験者側も8名の優秀な会員が(私の場合は例外)参加して勉強に励んでおられます。来年の年次総会では新しい一級販売士として名前を連ねる方々が1人でも多いことを祈念致しております。 私のように加齢が進んでくると、出来るだけ人が集まる場所に顔を出し、情報を収集したり、勉強をしたり、あるいは自分を売り込むためのパフォーマンスをすることが大切だと思っています。現在、NPOのゴールデン・アカデミーの会員あるいは、アクティブ・シニア交流会のメンバーとして多分野の方々との新しい出会いを楽しんでいます。興味をお持ちの方は遠慮なくお声を掛けて下さい。 |